私は45歳男性、実話です。
今から25年前の二十歳の夏の出来事です。
当時私は新宿の歌舞伎町のカプセルホテル暮らしをしており、夜の仕事をしていました。
昼過ぎに起きて仕事までは歌舞伎町界隈をフラフラするといった生活をおくっていたとある日の出来事です。
その日私は早起きするも、特に何もやる気が起きず歌舞伎町のロサ会館前の広場でボケーっと座っていました。
すると突然頭の中に誰かが話しかけてきました。
話の内容を細かくは覚えてないのですが、 その声は「自分はキムヨンファーだ」「奴らに青龍刀で切り殺された」「ボスに伝えてほしい」との事。
はぁ?何なんだこの声は、と思いながらも好奇心の塊であった私は、 声の主と会話をしようと声に意識を向けていると、突然その声の主の心が私の胸の中に入り込んだような感覚になりました。
説明が難しいのですが、胸にポッカリと穴が空いた感覚の逆バージョンのような感覚で、胸に自分の心と彼の心2つがあるような感覚になりました。
声の主の意向を聞いてやろうと立ち上がった次の瞬間、足が勝手に歩き出しました。
自分の意思とは無関係に、勝手に歩きだす足に、私は猛烈に興奮し、そのまま足の動くままに従いました。
ですがそこからの記憶は断片的にしか覚えてません。
途中、職安通りのガードをくぐった事は覚えているので、おそらく中野、大久保方面に向かってるようでした。
次の記憶は、大きめな古風な感じの屋敷の玄関前でした。
どうやら一戸建てが立ち並ぶ住宅街のようですが、 その屋敷の周りは空き地みたいにだだっ広かったのを覚えてます。
そして、気が付くと私は玄関を叩いていました。
叩きながら私は「ボス!!キムだよ、キムヨンファーだよ、奴らに殺されたんだ!!」 と、その時の私の頭の中は、奴らに殺された事をボスに伝えるという使命感に支配されていたようで、無意識に言葉を発してました。
しばらく玄関を叩きながら、先ほどと同じ言葉を叫んでいると、白いランニングシャツのおっさんが出てきました。
私が「キムだよ、奴らに殺されたんだ!」と改めて話していると、 おっさんは「チャンチョンチー」などと、訳の解らない言葉で怒鳴ってきました。
恥ずかしながら、当時の私は韓国、朝鮮、中国語などの区別が付かず、どこの国の言葉か解らなかったのですが、 そこら辺りの国の言葉で、キムの祖国語だという事だけは解り、この人がボスだと勝手に確信していました。
ですが言葉が解らないので私は「ボス!キムだよ、奴らに殺されたんだ!」と繰り返すばかり。
何回か叫んでいると、突然におっさんが脇に隠しておいたのか、ショットガンだか、ライフルのような銃口の長い銃を私に向け、 「チャンチョンチャンチョンチー!!」と激しく怒鳴り散らしてきました。
そこで初めて自分の意識の中に撃たれるぞ、ヤバいぞという感情が湧き上がってきたのが解りました。
ヤバい、撃たれる、という感情と、ボスに伝えなきゃという意識が入り混じってか、 私は両手を上げ後退しながら「ボス!キムだよ、キムなんだよ、奴らに殺されたんだ!」 と、空き地のようなところを後ずさりしながら叫んでいたのを覚えています。
その後の記憶はよく覚えてないのですが、後日談としてその2〜3日後の話。
この話を歌舞伎町でいつもフラフラしてる仲間に話したところ、 「そういえば2〜3日前、付近(歌舞伎町〜職安通り)の裏路地で刀で斬り殺された奴いたな」と、教えてくれました。
他の知り合いなどにも聞いてみたところ、どうやら斬り殺されたのは事実のようです。
その話を聞いてから、更にこの体験が好奇心をソソられるものとなり、足が勝手に歩く現象も忘れられず、 もう一度私の心に入って来てくれないかなと願って日々を過ごしてると、その後何度か頭の中に声が聞こえたり、勝手に歩く事が出来ました。
どうやら、ボケーっと頭の中を空っぽにしたような状態の時に入ってこれるようです。 (ただの自分の体感であり、キムがそう言った訳ではありません)
その後いつしか、どんなに空っぽ状態をつくってもキムが入ってくる事はありませんでした。
今思うと、入ってこなくなったのは49日付近経った頃だった気がします。
昔は49日とか「なんのこっちゃ」とか思ってましたが、仏教や神道を知ると色々辻褄があう事が多く納得です。 ちゃんと成仏出来たんでしょうかね。
見た事もないキムヨンファーですが、私の中では良き思い出でもあり、友達のような存在になってます。
そして私が死んだら彼に会う事はできるのでしょうかね。
追記 当時はもう少し記憶に残ってる部分もあったと思うのですが、かなり昔の出来事の為、忘れてしまってる部分と、 当時の時点で記憶にない状態とが入り混じっていると思われる事をご了承下さい。