ナンバープレート

昔付き合っていた彼女、仲間うちでは霊感少女として、割と知られていた彼女とのある日の話。
うちの実家で遊んで、夕方彼女が帰宅する。
うちから車で.20分かかる隣町に住んでいた彼女は自宅についてからメールで安否を知らせてくれるのがうちの実家で遊んだ帰りのお約束だった。
うちを出て2分たらず。その日は彼女から電話がかかってきたんだ。
何かあったのかと思い「どした?大丈夫?」 と焦りぎみに電話に出ると「ふ 35??」電話の向こうで暗号めいたものを口走る彼女。
必死に暗記したものを記憶と照合させるようにつぶやく彼女に焦っていたこともあり「どした?わけわからんわ」 と苛立つ。
すると彼女が訳を話してくれた。

「今ガソリンスタンドの交差点を渡ったところで止まってる。なんか道の真ん中に女子高生くらいの子がいて、おかしいなと思いながら私は避けて通ってバックミラーで確認したんだけど後ろの車は全然避けてなくて真っすぐ走ってて」
もうここまでくると分かる。ああ、また見たのか。
「今から行くから待ってて」と言い彼女と合流。
改めて話を聞きながらメモを見せてくれた。
ふ 35☓☓9 事細かに話を聞くと「一番前で信号待ちをしてたら道の真ん中に女の子が立っててその女の子が車のナンバープレートを持ってたの。☓☓のところはちょうど手で隠れてた部分でー」
ここからは彼女の憶測の話。

ひき逃げされた被害者が犯人のナンバープレートを持って幽霊になって現れて犯人を探してもらおうとあそこに立ってたんだよ。
探そうこの犯人!っとあとは迷探偵とその助手のくだらない物語である。

後日談。 実はこの話には後日談があって。
これはあの日から1年ちかく立ってからの話。
その日の彼女から聞いた話を仕事先で話のネタとして話した時の話
話した女の先輩が青ざめて言った「あそこ何年か前に女子高生のひき逃げあったよ」

朗読: 小麦。の朗読ちゃんねる

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