なんちゃっておばけトンネル

北陸のカニの有名な県の海側から国道へぬける道沿いのトンネル。 とだけ言っておこうか。
100メートルあるかないかのけして長くはないトンネルを走り、 左側に目線をやりながら出口に向かうと女の幽霊が必ず、誰に でも見える。
そんな話を聞き友達4人でそのトンネルへ初めて訪れたのは今 から15年近く前になるだろうか。

初めて車で通過した時、女の幽霊を見たのはそのうちの2人。
助手席側とその後部座席に座っていた友達2人には見えたらしくパニックになっていたが、運転席側に座っていた自分と運転手の友達には何も見えなかった。
いわくつきのトンネルなので恐ろしい気持ちもあるが 当時、免許をとりたてで3度の飯より心霊スポット巡りが好きだった自分のたっての希望でもう一度トンネルを通過してもらう。
まぁ、かいつまんで結果からお話すると壁の染みが女のニヤリと笑った顔に見える。
ただそれだけのことだった。

しかし、ただの染みとは思えないほうまく不気味さが 表現されているのとリアルでもなく抽象的でもない、 本当に絶妙な表情をうかべた顔(に見える染み)だった。
心霊スポットに行ってるつもりが、実はただの壁の染みだった事。
内心、幽霊を見なくて済んだという緊張と緩和で車内が妙なテンションで盛り上がるなか1本の電話がなる。 彼女からだった。

電話に出て、またかけなおすと言い電話 を切ろうとすると
「今誰といる?女も一緒にいるでしょ?」 と勘ぐってくるので誰と何をしていたかを話し、車内には 男友達だけであることも伝え、さらに友達と電話を代わってもらい弁明?というか説明をしてもらいまた自分と代わり話をする。
「ね!男だけでしょ」
すると彼女が怒ったように 「いや‥‥ずっと女の声してたじゃん」と言い電話を切られ てしまう。
それを聞きパニックになる車内をよそに彼女を怒らせてしまったことを気に病む自分。
女の霊はいない、壁に女に見える染みがある。
ただそれだけのはずのトンネルだったはずなのに。
因果関係は分からないが確実に車内には女が乗り込んでいたらしい。

最近久しぶりにそのトンネルを通ったら今もかわらず笑ってたな。不気味な女の染み。

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