昔から闇を抱えた女性が寄り付く性質がある。
その中でも、最もヘビーかつ、最も自責の念にかられた話。
まだ20代前半だった頃、会社での昇格を兼ねた移動があった。
その移動先で出会った女の子は、
表面的にしか社交的にできず、
ちやほやされない事に対する反面感情なのか、
後日談だが、
程なくして休みの日に2人で遊ぶ関係になった。
そんなこんなで2ヶ月ほどが経った頃、
付き合っていたわけではないのでプレゼントは重くとられても困る
合流し、宅配ピザをお持ち帰りしラブホテルへ(
話は変わり、
なので、磨かれた話術には多少なりとも自信があった。
人心を掌握しコントロールできる。
そんな特殊な能力を過信し、調子にのっていたのだ。
話は戻り、サプライズのケーキを渡す「おめでとう、
周りにちやほやされることはあっても、
散々泣いたあと、彼女の様子が少しおかしく感じ、
味方であること、なんでも話して楽になればいいよということ、
すると、完全に彼女の顔つきが変わったのに気づく。
少女のような、顔の筋肉に力が入っていないような顔に。
これは面白いと思いカウンセリングを続ける。
「○○ちゃんの大切なものってなに?」
答えは分かっていた。
彼女の飼い犬の名前が出てくる。
それ以外の答えはないから。
彼女は答える。
「お父さん、お母さん、弟…」
俺はそこで怖くなり肩を揺さぶり正気に戻そうとする。
彼女に弟はいない。
兄が2人いるだけだ。
一種の催眠状態から戻った彼女にその事を訪ねはしなかった。
そして翌日、会社で会った時、
勇気を振り絞り昨日の事を訪ねてみる。
「もしかして、弟っている?」
顔面蒼白で俺から離れる彼女。
その日、会社で話をすることはなかった。
その日の仕事終わり、彼女から連絡があり待ち合わせる。
そこで全てを聞き、俺はもうカウンセラーの真似事をやめた。
大阪出身であること。
双子の弟がいたこと。
両親は幼少の頃亡くなり、弟も数年前に亡くなったこと。
両親は無理心中だったこと。
今の家には養子として入ったこと。
弟を救えたかもしれないが、今の家族に気をつかい
救えたかもしれな
そして彼女いわく普段の自分は偽りの姿で、
そう語っていた。
実話なので彼女が自殺だとかいうオチはない。