葬儀屋さん

祖母の葬儀でお世話になった葬儀屋さんの話。

その人は、見たこともないほど青白い顔をしていて、祖母の着替えや化粧を担当してくれた。
自宅から葬儀場へ向かい通夜を終え翌日の葬儀の日、気持ちも落ち着き人と話す余裕も出てきた頃、その人にお礼をしたく話しかけた。

他愛もない話をしたあと祖母との話を少しだけする。
生前、祖母には誰よりも可愛がられていて、祖母は死ぬ間際まで僕を心配してくれてたんです」 と話すとその人は言った。
「だと思いますよ」

その場はそれで話を切り上げたが、後になってその返答の不思議さに気づく。
だと思いますよ。
それからその人が気になりじっと見ていたんだけど、目線が人とは違っている事に気づく。
祭壇ではなくその斜め上を見ていた。
もしかしたら、祖母の姿が見えていたんじゃないだろうか?

余談だが、葬儀場が混んでいて自宅に2日間遺体が安置されていたんだけど、玄関の開く音がするが誰もいなかったり、生前元気な時はタバコを吸っていた祖母のためにタバコに火をつけて放置していたら、バチバチッと吸引しないとありえない速度でタバコが灰にかわっていったりという現象があった。

身内の事なので怖いというよりは、近くにいる気がしてなんか嬉しかった。

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