困った人々

変な人や認知症の人と出会うことがある我が家の周辺ですが、
その内の二つを御紹介します。

一つ目は母の体験で、まだ人が殆ど来ない朝早くに、マンションの中庭にあるゴミ捨て場に向かったそうなのですが、エレベーターを降りてエントランスから外に出ようとした時、お婆さんが後ろに立っている。

母は一目見て、この人は痴呆なんだなと分かったようで、
ここから出られないのかなと思ったそうです。

するとその老婆が何も言わずにパっと握っていた手を開きました。
すると、手の中にはゴキブリの死骸が乗っていたのだとか。

もし着いてきたら外に出してしまうので、母は少し悩んだそうなのですが、結局そのままゴミを出しに行きました。
お婆さんはその後、ずっと中庭をうろうろしていたらしいのですが、不気味なのでそのまま放置して戻ってきた、とのことでした。

後で他の住人に聞いた話では、やはりそういう人が住んでいるらしいと。

僕自身、郵便受けをガチャガチャやってるボケてるっぽいおじいさんとか、変なこと言ってるお婆さん(こっちはマンションの外側のドアにいたので部外者?)を見たことがあるので、色んなタイプの人がいるんだなと思いました。
なんにしても、そういう人は歩き方とか顔を見れば案外分かったりするものですね
魂を持ってかれたような、まるで遠い別の世界を見ているような表情していますから。

二つ目は僕の体験談で、痴呆ではなく頭のおかしな人の話。
つい最近の話で、やっぱり近所でのことなのですが、イヤホンで音楽を聴きながら信号を渡っている最中、数M先に若い男性が歩いており、そこに後ろからジョギングをしていたおじさん(初老くらい?)が急に近づいていき、何やら話しかけています。

最初は道でも尋ねてるのかと思ったのですが、「試験頑張ってね」みたいな言葉が聞こえ、あれ?もしかして知り合いがいたから声を掛けたのかな?とも思い直したのですが、男性はなぜか話してるおじさんの方を向こうとはせず、おじさんが一方的に話しているように見えました。

僕はそのことは余り気にせず、対角線の道へ渡ろうと二つ目の信号が変わるのを、待とうとしていたのですが、そこには先ほどのおじさんが。

いかにもなジョギング姿のおじさんは、信号が変わるのを足踏みしながら待っているようです。
と、そこで突然、おじさんから急に声を掛けられて驚く僕。

何を喋ってるか分からず、イヤホンを外すと飛び出てきた言葉が、
「お兄さん、もうすぐジャニーズの試験だね!受かるといいね、頑張って!!」
えっ!?ジャーニズ?試験??
ニコやかな表情を浮かべるおじさんとは対象的に、
はぁ?とか、何言ってんだ?とか思いながらもポカーンとする僕。

混乱しながらもなんとか「は、はぁ……」とか曖昧な返事を返すのが精一杯。
もしかして、頭の可愛そうな人か? さっきの男性も、同じこと言われて、それで無視してたんだ!と合点が行きました。

その後もおじさんはなんのかんの僕に話しかけて来ましたが、僕はイヤホンを付けたまま一切無視。
おじさんは気にせず、信号が変わるとジョギングしながら僕が進む方向とは別の道へと行ってしまいました。
喋っている感じは普通の気さくなおじさんなのですが、内容が内容だけに、まだ近所にこんなヤベぇ人が隠れてたのか……と、越してきて25年以上経つ町で、知りたくもない事実を知った一日でした。

ちなみにですが、おじさんは髪があるかないかといった感じで、アニマル浜口に似ていました。

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