あの場所での悲劇

この話は不謹慎な話かも知れません。
それというのも、実際にニュースになった事件に関係する話だからです。
他のところでも書き込んだことのある話ですし、なにぶん結構昔の話なので記憶が朧気だったりしますが、話として投稿する上で今回はもう少し詳しく書いてみようかと思います。

それは、僕がまだ高校生の頃だったかと思います。
あれは夏休みに入ったくらいだと思うのですが、間に別の市をいくつか挟む程度には距離が離れている、某運送会社の支店にバイトへ行きました。

集まったのは同年代くらいの人が多かった印象が残っています。
いわゆるピッキングというやつでしょうか、僕らの主な作業は梱包された荷物をベルトコンベアに流すとか、そんな感じの作業でした。

僕は別段、鍛えたりもしていなかったので当然、力も貧弱でした。
中に何が入っているのか重いものも多く、荷物を乗せたり下ろしたりするわけです。
その内、力が入らなくなってくるのですが、
ある日、一緒に作業をしていた人が最悪でした。

まだバイトを始めて数日でしたが、その日は特に重いものが多く、ただでさえ疲労が蓄積された腕には重量物は堪えました。
箱自体は小さいのに、金属でも詰め込まれているのかというくらい重く、ろくに持ち上げられそうもありません。
20kgとかあったんじゃないでしょうか、
それを見ていた社員っぽい人が嫌味を言ってきました。

「そんなのも持ち上げられねぇのか、使えねぇな!!」
中年の男(以降おっさん)だったとは思うのですが朧気で、若い人ではなかったのは覚えています。 その人は嫌みったらしく、目の仇にするようにキレ気味に大声で口々に罵ってきたのですが、その一言が強烈に脳裏にこびりついて今も離れません。

なんでこんな奴雇ったんだ、とか、ベルトコンベア周りで一緒に作業していた人たちを前に、さんざん罵倒されました。
ヒステリー起こしたような勢いで、周りも引いていたような気がします。
さすがに見かねたのか、20後半から30代くらい?の同じ社員さんでしょうか、その人がなんとか宥めようと困った感じで、 まだ慣れてないだろうし仕方ないじゃないですか、とかなんとか擁護してくれてその場は収まりました。

その後だったか、次の日以降だったかは覚えていないのですが、おっさんと作業していると前述程ではないにしろ、ねちねち嫌味を言われ続け、もう無理だと思った僕は、上の人にバイトを辞めたいと告げました。

考え直してくれないかと言われましたが、僕の意志は硬く、結局一週間通ったかも分からないくらいの短い期間でそこのバイトを辞めてしまいました。

それから数年、そこのバイトであったことなど
記憶の隅においやり過ごしていたある日。
とあるニュースを目にしました。

それは、例のバイト先で刺殺事件が起こった、というニュース。
僕は、いや……まさかね、と思ったのですが、
事件現場はあのバイト先の支店で間違いありませんでした。

名前まではさすがに知らなかったので被害者と同じ人だったかまでは分かりません。
ですが容疑者は仕事で何度も注意された末の恨みの犯行だったとのことで……
もしかして、被害者はあのおっさんだったのでしょうか……?
そうでなかったとしても、やはり人を注意する場合、
理不尽な怒り方はしない方が良いと思います。
恨みを買う様な、そんな怒り方は……

それと、こちらは初めて書く話で短いのですが、
更にもう一つの実体験があります。
こちらも、ニュースを見て知りました。
時系列的には、前述の事件の更に数年後、ということになるかと思います。

当時、社会人になった僕は駅ビル内にある音楽教室に通っていました。
その音楽教室は社会人向けで予約制になっており、通う日時に融通がきくんです。
事件のあった当日、僕は予約を入れていたので、駅ビルへと赴きました。
習い事を終え、さて同じ駅ビル内にある本屋へ寄って帰るか、
とかそんな感じで本屋に寄ったんだと思います。

音楽教室は必然的に夕方以降に予約を入れることが多いので、
その日も夕方か夜の時間帯でした。
ホビーショップが本屋と同じフロアにあり、本のチェックをしたり早く着き過ぎてしまった時の暇つぶしに、といった具合に、なにかと本屋があるフロアによく足を運んでいました。

その日もそんな感じで何気なく本屋へ顔を出し、家へ帰ったのです。
帰宅してから数時間後。
ニュースが流れています。
驚きました。
先ほどまでいた本屋で、殺人事件が起こってしまったのです。

え?嘘だろ?本当に?マジか……
さすがに、数時間前までいた場所でそんな事件が起こるとは、実感が持てないものです。
じゃあ、あそこの本屋に居座ってたら、事件に遭遇してた……?
下手すると、被害者が自分だったかもしれないと考えても、
とても現実味がありませんでした。

しかしその一方、身近すぎる事件だったのもあり複雑な心境で、色々考えさせられた事件となりました。 バイト先の事件では、まだどこか他人事のように考えていましたから…… その後、自宅という更に身近なところで目の当たりにしてしまった話もあるのですが、内容が内容なので、もし書く覚悟が決まることがありましたら、お話させて頂こうと思います。

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