たんたんたぬきさん

外回りをサボり、先輩と山の入り口にある公園で休憩をしていた時の話。

標高何メートルというにはあまりにもおこがましい小さな山で、登った所に公共の宿泊施設、その奥に地元の小学生がレクリエーションで使用する山道があった

入り口を登り、30メートルほど行った所の駐車場で休憩をしていたんだけど、
1匹のたぬきが車の後ろを横切り、坂を駆け上がっていった。
「たぬき!」
とテンションが上がるが先輩は気づかなかったそうだ。

それから5分ほど経ったころだろうか、坂を下りたぬきが降りてきた。
「ほら!」
「ほんとだ!ムービー撮ろ!」
今度は先輩も気づき2人でテンションが上がる。

「なんか獲物咥えてるよ」
餌にありついたたぬきは心なしか、少しだけ優雅な歩き方をしているように見えた。
また来た道と同じルートをたどり、車の後ろを横切り、一旦地面に咥えていた物を置き、咥えなおして林の中に消えていった。
「癒やされるわ〜」
「でも熊より年間の人的被害の件数多いんですよたしか」
などと話をしながら、先輩の撮ったムービーを見る。

なんだか、びらびらと揺れる物を咥えている。
もう一度再生。
なんだか、肌色のびらびらしたものを咥えている。

もう一度。拡大し停止。
「あちゃ〜、これ手だわ」
普段からオカルトな事が好きな2人だったので至って冷静に通報。
事情聴取や会社での説明が面倒だった。
その後、警察は詳しいことは教えてくれなかった。

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