外回りをサボり、
標高何メートルというにはあまりにもおこがましい小さな山で、登った所に公共の宿泊施設、
入り口を登り、
「たぬき!」
それから5分ほど経ったころだろうか、
「ほら!」
「ほんとだ!ムービー撮ろ!」
今度は先輩も気づき2人でテンションが上がる。
「なんか獲物咥えてるよ」
餌にありついたたぬきは心なしか、
また来た道と同じルートをたどり、車の後ろを横切り、
「癒やされるわ〜」
「でも熊より年間の人的被害の件数多いんですよたしか」
などと話をしながら、先輩の撮ったムービーを見る。
なんだか、びらびらと揺れる物を咥えている。
もう一度再生。
なんだか、肌色のびらびらしたものを咥えている。
もう一度。拡大し停止。
「あちゃ〜、これ手だわ」
普段からオカルトな事が好きな2人だったので至って冷静に通報。
事情聴取や会社での説明が面倒だった。
その後、警察は詳しいことは教えてくれなかった。