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第二トンネル

今から20年位前の話。
当時、地元では誰もが知る「行くと必ず出る」と言う心霊スポットがありました。
そこは山奥にあるとても古いトンネルで、入り口には”第二トンネル”と表記があるものの、そのトンネルの付近には第一に該当するトンネルはなく、その第二トンネル自体も既に封鎖されているトンネルでした。

ある日、友人AとB、そして私の3人で肝試しに行こうという話になり、私の運転で出掛けました。 行くと必ず出る、と言う割にはトンネル内では特に何も起こらず
なーんだ!全然たいした事無かったね!!」
なんて言いながら歩いて出口に向かっていると、
もうすぐトンネルから出る所でAがトイレに行きたいと言い出しました。

峠を降りた所にコンビニがあったはずだから「そこまで我慢して!」と言い、
急いで車へ戻りエンジンを掛けると、Aが「だめ!我慢出来る自信ない!!」と切羽詰まった表情で叫ぶように言い出し、慌てて車を出しました。
車を出してほんの1〜2分、トンネルから殆ど離れていない場所に
ポツンと民家があるのに気付きました。

周りには他に民家はなく、赤々と電気の灯るその家に、
「あれ?来る時こんな所に家なんかあったかな?」
と不思議な気持ちでいると、Aが
「ねぇ、あの家でトイレ借りられないかな!?」
と言い出した為、ダメ元でその民家の前に車を停めました。

カーステレオの時計を見ると23時過ぎ頃。
Aが車を飛び出しチャイムを押すと、70〜80代位のお婆さんが出て来ました。
Aの要求にお婆さんは快く頷きトイレを貸してくれ、
私とBにはお茶まで出してくれました。

そして、「女の子3人がこんな夜中に出歩いちゃ駄目でしょ!オバケより人間の男性の方が怖いのよ!」ってお説教までくれました。
その日は、お婆さんに何度もお礼を言って帰宅しました。

翌日、Aから電話がありました。
改めて昨日のお礼をしにあのお婆さんの家に行ったんだけど、家が無いの。
震えた声でそう言うAを宥め、私も一緒にお婆さんの家を探しに行きました。
でも、探しても探しても家が見付からないんです。
何時間も探し続けてようやく見付けたのは、過去にそこに民家があったであろう基礎の跡。
何故だかわかりませんが、昨日お世話になったお婆さんの家はここだ!と思いました。
私達は、その住居跡に手土産として持参して来ていたお饅頭を供え、手を合わせてから帰宅しました。

と、ここまでの話も不思議な体験ではあるんですが、もう1つ不思議な事。
私が10代後半〜20代の頃は、第二トンネルと言えば誰もが知ってる心霊スポットだったはずなんですが、この体験をしたAとB、そして私以外の誰に聞いても
そんなトンネル知らない」と言うんです。
第二トンネルと言う心霊スポット自体が、私達以外の記憶から消えているんです。
私達が行ったのは一体何処だったんでしょうか。

朗読: りっきぃの夜話
朗読: 怪談朗読と午前二時

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