幽体離脱と接近者

あれは、私が小学生5年生の頃。

当時私は3DSのモンハン4にハマっており、 夜通し際限なく狩りをしていました。
3時過ぎに郵便配達のバイクが来るので、 そのバイクの音を狩り終了の合図としていました。
もちろんゲームを止めて直ぐに寝付ける筈もなく 毎日1時間程度はひたすら目を瞑り眠りに着くのを 待つ、といった事をしていました。
しかし、ある日から突然金縛り(?)に遭うようになりました。
きっかけは、多分テレビで見た恐怖映像特集だとは思いますが。
金縛りに生まれて初めて遭った時、階段 (私の部屋は2階の階段を上り切って直ぐ正面にある) を大量の足音が駆け上がって来る音が聞こえました。
と言っても、家の階段は人が2人横に並べる程度の 広さしかありませんが。
これは当時自分は変わった小学生だったので あまり怖いとは思いませんでした。
(意識としては「あー友達がいっぱいだバンザイ」的な感じ)

しかし、そこから更に3日後、再び金縛りに遭いました。
その時も足音が聞こえたのですが、こないだは 「どたどたどたどたた…..」って感じだったのがその日は 「ぎし…………..ぎし………..…」って感じで、明らかに質量を持った 何かが1段1段踏みしめて登って来ているのが分かりました。
そのとき、意外と余裕があり、動いたりしてみようと思いました。
しかし、そもそも私の経験したのが金縛りなのか不明なのですが、 体が筋肉が無意識に細かく痙攣しており、腕を上げようとしても 筋がつっぱって動きませんでした。

そこでやっとやばいんじゃねーか、って思い、何故そう行き着いたかは 分かりませんが、「自分の意識を家の外に逃がせば怖くないし大丈夫」と思いつき、実践してしまいました。
多分この時幽体離脱的な事を 知らずの間にやってしまったのだと思います。
そして近所のコンビニ横の国道をイメージし、 シルバーのハイエースや大型輸送用トラックを眺めたりしてだいぶ 怖くなくなってきました。
しかし、どうしてか国道の脇の地下道の方へ移動してしまいました。
そして、上空(信号機らへんの高さ)から地下道入口を見下ろすと、 何かがいました。
大体3メートル程度、高さは2メートル程度、黒く、しかし所々斑になっている、千と千尋の神隠しの腐れ神?のようなものを想像したら わかりやすいと思います。

その何かは、地下道に入って行こうとしており、自分には気づいていません。
そこでまた余裕になり、観察してみることにしました。
その何かが地下道に入り、地下道の中ほどを通っている時に ふと気づきました。
「あれ、これ…俺んちの方に向かってる…?」
その瞬間自室の前の階段から大きく「ギシッ!」 と音がして、不味いと思い助けを呼ぼうと(隣の部屋には父が寝ている) 大声で叫ぼうとしたけど、声帯も痙攣しており声が出なかった。
出ても微かな呻き声だけでした。
そして、気づいたら朝でした。

ありがちなオチですが、実話なのでそんなもんだと思います。
しかし、何かが自分の家、いや、自分目指して近づいて来ていると分かった瞬間は本当に怖かったです。

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