LINE通話

高校2年の時に体験した話です。

その日は同じ学校の先輩達とグループLINEでの通話をしていました。
話が盛り上がって深夜1時ぐらいまで喋ってたのですが、途中で何人かが通話をやめて残ったのが僕とH先輩とY先輩だけになりました。
話す内容もだんだん無くなってきた時、ふいにY先輩が「怪談話をしよう」と言ってきたのです。
普通なら時間が時間ですし嫌がる人もいるのでしょうが、男三人それに便乗して知っている怪談を語ることになりました。
とは言っても話すのは体験談などではなく、大半がネットで拾ってきた話。
聞いたことがあるようなものばかりでなんとなく「つまらないな」と感じていました。

するとY先輩が、 「そういえばさ、みんな「牛の首」って話知ってる?」 と言ってきました。
H先輩は 「名前だけなら」 と言いました。
僕も名前だけ聞いていたのですが真相を知ると呪われるという噂を信じてしまってわざと避けていました。
Y先輩は続けました。
「その話がさ、聞くと呪われるって有名でさ〜。俺も話したくないから詳しくは言わないけど」 とさっき僕が思ったことと同じことを言いました。
するとH先輩が、 「確かに話すのは良くないと思う。ていうか、こういう話してると寄ってくるっていうじゃん? だからこの辺でお開きってことで」

H先輩の提案で通話を終わりにしようとしたその時、異変が起きました。
「でも……こ……話……な……で……噂……」 と突然Y先輩の回線だけがブツブツと音を立てて乱れ始めたのです
それはH先輩も同じだったみたいで、
「あれ? 画伯(Y先輩のことをH先輩は画伯と呼んでいます)? どうした?」
僕からも、 「Y先輩、どうしました?」 と呼びかけたのですが、とうとう「ブツッ」という音を最後に完全に途切れてしまいました。
僕とH先輩はちょっと怖くなってすぐに通話を終了しました。

でも僕は多少の恐怖心がありながらも、普段から良くしてもらっている先輩ということもあって思い切って再度Y先輩に通話してみました。
最初は何も聞こえなかったのですが、しばらくすると急に、 「ザァァァァァァァァァーーーーーー!!!!」 と大音量でノイズが流れたのです。
正直、心臓が止まるかと思いました。
すぐに通話を切って布団に潜り込むとそのまま朝を迎えました。

特にこれといって変わったことはありませんでしたが、唯一の体験談でなおかつ初めてそういうのに触れた瞬間でした。
ちなみにY先輩は元気で今はゲーム制作の仕事をしています。

朗読: りっきぃの夜話

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

閉じる