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怪奇譚 身に覚えがない

仕事帰りに立ち寄ったコンビニで、車内テレビを見てコンビニ弁当を食べていた。
夕方の地方限定のワイドショーを観ながら弁当を食べていると プルルルル プルルルル っと遠くで電話の音がなる。
テレビからの音? 視聴者参加型の電話コーナーのある番組なのでその音かと思い、気に求めず弁当を食べる。
CMになっても着信音は途切れず、初めて不思議に感じた俺は、車の外か?と周りを見渡し、続いて車内を物色する。記憶にないものの存在には鈍感なものだ。

有るはずがないのだから他人事に捉えて当然だ。
あろうことか着信音は車内から響いていた。
脱いだジャケットのポケットから ポケットの中の携帯を取り出したものの、やはり見覚えも身に覚えもない携帯だ。
ドッキリ?と思い周りを見渡すが、一般人の俺にそんなことが起こるはずがない。
着信を見ると090…と、登録されていない番号からの着信だった。
普通に考えたら会社で誰かが入れ間違えたのかな? 明日聞いてみよう。
中を確認するのも悪いし、うるさいけど放置しておこう。
そして、少し冷めてしまった弁当の続きを何事もなく食べていた。
食べ始めてすぐのことだった。
運転席側の窓を両手で叩かれ 「出てーーーーー、出ーーてーーーー」 と言い女が窓ガラスを叩く。
うおっ! ビックリして助手席側に仰け反った勢いで弁当をぶちまけてしまう。
そんなことはあと回し、とりあえずドアロックをかける。
バンバン、ガチャガチャ 「出てーーー、でーんーわ、出てーーーーーー」 と言い、窓ガラスを叩き車を揺さぶられる。
髪の毛はボッサボサ、浅黒い肌に抜け落ちた前歯、年の頃はいっていても30歳くらいまでの割と若い奴。
周りで見ていたほかの客もドン引きして、近寄ろうとはしない。

冷静になるとだんだん腹が立ってきて、車にしがみつく女を無視してゆっくり車を走らせる。
車が動きだすと女は立ち止まり意外にも追いかけてくる様子はない。
10メートルくらい離れた所で車を降り「気持ちわりーなー警察呼ぶぞ」 と携帯を投げつけコンビニを後にした。

あとあと考えると、買い物のためコンビニに入った時に、携帯をジャケットに入れたんだろう。
女とは面識もないし、酷く怖い顔をしていたけれど、追いかけては来ないんだな
憶測だけど、人違いをしたのではないかと思う 迷惑にもほどがあるが、多分、そういうことなんだと思う

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