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実話「友人の気配」

友人の気配

 これは私がごく最近体験した出来事です。
怖い話、というよりも悲しく不思議なお話です。
人の名前をABなどで表すのは好きではないので以下、登場する名前は全て仮名とさせていただきます。

 私には特別霊感はありませんが、勘が冴えるというか、なにか起こるような予感を感じることがよくあります。

 一度目の予感は事が起きる一週間ほど前でしょうか。

 ゴールデンウィークも始まるのも指折り、周りが十連休だ、平成最後もまじかだと騒いでいた頃です。

 その日はいつものようにライン通話で友人と電話をしていました。主に、友人の美和子悩みや愚痴を聞いたり、それに対しての受け答えがメインでした。

 ただ、その日は、なぜか私はある一人の友人のことがよぎり、「ねぇ美和子、そういえば風花ちゃんどうしてる?」と気づけば行っていました。

「え? 風花? さぁどうだろ。ここ最近全然あってないけど」

「え、そうなの?」

「うん。あ、そういえば去年かな。車で単独事故おこしてさ」

「単独事故?!」

「そう。といっても雪寄せした山にぶつかっただけなんだけどね。でもそれ以来車運転するの怖くて、親に乗せてもらってるみたい」

「へぇ、そうなんだ。私が起こした物損事故よりはましなのにね」

なんて、たわいもない話をしていました。

二度目の予感は、ゴールデンウイークで北海道にいき、夜ホテルのベッドで一休みしていた時です。なんだかとてつもなく胸騒ぎがしたのです。無性に不安を感じながらも、私は次の日も観光を楽しんでいました。
その日の夜です。ラインでの美和子からの知らせに驚くことしかできませんでした。

ラインには「風花死んだって!昨日の夜!お風呂でなくなったみたい。火葬は30日、お葬式は1日に行うかも!」

 友達経由を重ねてきた情報に呆然としてると、もう一人の友人花蓮から電話がありました。

 それも、友人風花の訃報を知らせるものでした。

 そこで、風花がてんかんもちであったこと、お風呂で亡くなったこと、お葬式や火葬の日のことなど話しましたが、悲しみよりもただただ信じられず驚きの感情ばかりがあふれました。

そしてふと思ったのです。あぁ、これまでの一連の出来事は虫の知らせだったのではないかと。

 普段、友人とはいえここ2,3年交流のなかった風花について聞いた私自身も今思えばおかしかったのです。

 あの胸騒ぎを感じた時は、風花がもしかしたらまだ生きていたかもしれない。あの時に電話していたら・・・いや、美和子に聞いた時点で自分から連絡を取っていたなら、たらればの後悔ばかりが堂々巡りしました。

 そして、お葬式の日がやってきました。はじまりの頃からずっと座り、焼香をいただいたりし、弔辞を聞き涙が止まらないでいた時です。

 ふいに、襟を正すかのようにくいっと引っ張られたのです。驚いて後ろを振り向いても、葬式に参加していた友人の美紀ちゃんが不思議そうな顔をしているばかりでした。

 そして葬式後、美紀ちゃんに確認しても、なにもしてない、と否定され、首をかしげるばかりでしたが、その話を聞いていた風花のお母さんの一言で納得しました。

「きっと風花が襟を正してくれたんだね」

と。

 再び涙があふれてしまったのは仕方ないですよね。だって、私と同い年の24歳という若さで誰かがなくなったのも、それが友人だったのも初めてだったんです。

 私はずっと感じていただろう虫の知らせと、最後の襟を正された風花ちゃんの気配は、これからも忘れることはできないでしょう。

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