これは私が実際に体験した話です。
私が住んでいる場所は長野県の山奥です。山奥ということもあって街灯は少なく、夜になれば暗闇になります。
その日も部活帰りで帰宅するのが遅くなり、時刻は8時を過ぎていました。
私はスマホを使って道を照らしながら歩くということが面倒だったので、いつも暗闇の中歩いて帰っていました。
しばらく歩き、暗闇に目が慣れ、だいぶ辺りが見えるようになってきました。
家まで残り30メートルを切ったあたりです。ふと左側から違和感を感じました。
私はその違和感を確かめようと思い、視線を移しました。
そこには、赤く光り何かが空中に浮かんでいました。
最初は、それが何か分からず凝視していました。
しかし、だんだん赤く光っているものの正体が分かってきました。
それは能面だったのです。
能面が赤く光り空中で浮いていたのです。
私は心の中が「?」マークでいっぱいでした。
私はそういった体験をしたことがなく、この時どうしたら良いのか分かりませんでした。だから私は、何も見なかったことにし、そのまま家に帰りました。
私は、帰宅途中、何度も後ろを振り返りましたが、結局能面は私を追ってこようとはせず、ただただ空中に浮かんでいました。
翌朝確認していってみると、能面の姿はもうありませんでした。
地元にはそういった類の話はなく、このような体験をしたのも私だけのようです。
ちなみに、事故や病にかかることもなく健康な生活を送っています。
結局あの能面は何だったのか今でも謎のままです。