あなたは誰?

これは私が高校生の頃のお話です。
高校3年の秋、私は文化祭の準備で毎日忙しくしておりました。

その日は屋上からの垂れ幕を設置する作業をする予定でしたが、生徒会の集まりが悪く半数しか来ない状態でした。

屋上と地上に別れて作業するため、前期後期の生徒会役員達では人数が足らず、ソフトボール部の皆さんにも手伝って頂けないかとお声がけをしていましたので、予定変更は難しく、作業は続行ということになりました。

作業は30分ほどで終了したのですが、ソフトボール部の練習終了後からの作業開始だったので、時間は18:30を少し過ぎていたと思います。

通常クラブ活動等は18:00下校と決まっていたため、校内は静かで暗闇に包まれていました。
生徒会役員達は作業が終わるとバイトがあるからと直ぐに帰り、ソフトボール部も部室から直帰するので校舎内にはもう誰もいません。
私は一度生徒会室に荷物を取りに戻り施錠し、職員室に行くと先生に伝えてから校舎に戻りました。

4階の生徒会室に入り、鞄を持ち照明を消して施錠し、1階の職員室に鍵を戻しに行きました。その時も階段を1階降りる事に顔を覗かせ、照明が消えているか確認しながら降りました。

職員室には生徒会顧問の先生方しかおらず、私から鍵を受け取ると
「もう暗いし車で送ろうか?M先生も送って行くからついでに乗っていくか?」
と言われましたが、私は
「駅に自転車預けてるからいいや。ないと明日めっちゃ早起きせなアカンし」
と笑いながら断りました。
「じゃあ、気を付けて帰れよ」
とその場で先生方と別れました。

学校を出て20分ほど歩き、もうすぐ駅という所で後ろからクラクションを鳴らされビックリし振り向くと先生方がいました。
手招きをしているので近づくと、先生方の顔がひきつってるのがわかりました。

「最寄り駅まで送るから、とりあえず乗れ」
ただならぬ様子なので私は車の後部座席に乗り込みました。
最寄り駅の名前を告げるとN先生は車を発車させ話はじめました。

私が職員室を出た後、N先生とM先生は手分けして校舎内を一周し残っている生徒がいないか確認したそうです。
照明も消えていたし、さあ帰ろうと通用口を施錠し車に乗り込んでふと校舎を見上げると、2階の照明が全部ついている。

2人はビクビクしながら校舎に戻り、2階を点検し照明を消して施錠し車に戻ると、2階の照明がまた全てついていた。

今度は2人で職員室に戻り、集中管理パネルで2階の照明を全てオフにして施錠、車に乗り込んで校舎を見ずに車を発車させたらM先生が
「私さんは大丈夫かな?」
と言うのでとばしてきたらしいのです。

「なんで?」
と聞くと、M先生が見回り中に私を見たらしいのです。
2階を点検して3階に上がる階段で、2階から1階に降りる私の後ろ姿を見たと言うのです。

「私さん?」
と声をかけても立ち止まる事も返事する事もなく階段を降りて行った。
忘れ物でもしたのかと思い、首を傾げながら点検を続けて帰ろうと思ったら先程の照明事件が発生したのだとか……。

それをN先生に話すと駅まで私を探しに行こうとなったらしいのです。
もちろん私は
「職員室出た後は一度も校舎には戻ってへんし、もし戻ってたら、もっと手前で合ってるんちゃう?」
と先生方に言うと
「怖いから言うな」
と怒られました。

階段には常夜灯がついていて、薄暗いけど人を見間違えるほど暗くはないのです。M先生が見た私、制服を着て髪をハーフアップにした女子生徒は誰だったんでしょうか。

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