炊飯器の上

これは私がまだ中学生の時に体験した話です。

恐怖体験にもなるかもしれませんが、 個人的には不思議で仕方なかったので ジャンルは不思議にさせて頂きました。

当時私は母と二人暮らしでアパートに 住んでいました。
そのアパートはその時にはすでに 5年ほど住んでいましたが、 綺麗なアパートでしたので母と二人 気に入っておりました。

ただ 少し私には霊感があるのか、よく学校から帰ると一人の時だけ パンッ!と手を叩くような音やラップ音がきこえました。
買ったばかりの数珠も家に帰った途端に いきよいよく バンッ!と弾けたり、時々怖い現象はありましたが 特に気にせず過ごしていました。

その日もいつも通り部屋で就寝していたの ですが、なぜか パチリ と目が覚めてしまい、時計を見るとまだ朝の4時前だったような 記憶があります。

いつも自分の部屋の扉を全開にして 寝ていたので、
リビングは丸見えの 状態でした。

なぜかリビングに違和感を感じて 見てみると、キッチンの前にカウンターが 取り付けられているのですが、 そこの炊飯器の上に妙にとてつもない 違和感を感じました。

暗かったのですが少し身体を起こして見てみると、炊飯器はお米を炊いていたので蒸気が 出ていました。
しかし何故かその上に兵隊さんが銃を構えてほふく前進の体勢で乗っていました。
よく映画とかで見る兵隊さんそのものが 炊飯器の上に乗っていたのです。
ですが身体は透けていたのか炊飯器の 蒸気はしっかり確認できました。

その兵隊さんは私ではなく、なぜか テレビの方向に銃を構えていました。
テレビの方はちょうど部屋の扉で隠れていたので見えませんでしたが、兵隊さんの 構え方がまるで獲物を狙うように鋭い 殺気のようなものを放っていたので、私はテレビの方に何かいる! と直感で感じました。

兵隊さんには不思議な事に全く怖いという 感じが一切なかったので、テレビの方を少し上体を起こして見て見ようと思いました。

ですがその瞬間に「あ、見てはいけない」 と感じたので、
そのまま寝る事にしました。

朝起きると何事もなくお米は炊けていました。
それ以来兵隊さんは見ていませんが、数年経った今でもあの兵隊さんを 思い出します。 そして不思議に思っています。
何故炊飯器の上だったのか・・・そしてテレビの方にはナニがいたのかと。

朗読: りっきぃの夜話

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