恐怖体験 「久しぶり」

人生で二度恐ろしい体験をしたことがあります。
今回は、その一つを書かせていただきます。

今から七年前、当時私は宮城県の専門学校に通っていました。
一通のメールが恐怖体験の始まりでした。

「久しぶり、○○だよ」

それは、以前遊んでいた女の子からのメールでした。
彼女とは、某SNSで知り合い、一緒に心霊スポットなどを巡った仲でした。

以降、彼女のことはAと書かせていただきます。

Aは宮城県の沿岸部に住んでいました。
そして東日本大震災以降連絡が取れなくなっていたので、
私はAに 「地震大丈夫だった?」 と返信しました。
Aから「家は流されちゃったけど大丈夫」と返信が来て、私はホッとしました。

数件メールをやり取りし、Aから久しぶりに会いたいと言われ私は、その夜にAに会いに行くことにしました。
Aは仮設住宅に住んでいるようで、住所を教えてもらい、車のナビを頼りにAの元へと出発しました。

道中の道路は、まだ復興があまり進んでおらず、家のあった痕跡だけが永遠と続いていました。 目的地まで、もう少しだが人の気配がない、さらにナビは山道へと案内をしている。 私は、少し心配になりましたが、もしかしたら山の中に仮設住宅があるのかもしれないと思い山道を進みました。

「まもなく目的地付近です」
ナビが終わってしまった。

一旦車を止めて、Aに連絡をしようと思いスマホを見るが圏外である。
急に不安と恐怖が押し寄せてきた。
その感情とは逆に、この場所で今、車のライトを消したらどうなるのかという好奇心が湧いてきた。

私はヘッドライトを消してみた。
暗闇、前も横もなにも見えない。
ヘッドライトをつけたら前方に誰かいるという妄想が頭の中を駆け巡り、ライトを消した事を後悔した。
しかし明るくなるまで、この場所にいるつもりはない。
恐る恐るライトをつける。
誰もいない。

一安心したのはいいが、とりあえず電波の入る所まで戻ろうと思ったがUターンは出来ないので進んでみようと思い車を発進させる。

少し道を進むと行き止まりになってた。
最悪の事態だ。
来た道をバックで戻るしかない。
私は心が折れそうになりながらも慎重にバックした。

「ん??」

来る時は前方に集中していて気づかなかった、ある事に気がついた。
道の途中道路なのかは、わからないが、道の横に行けそうな感じの所がある。
なかなか広そうだが、前方しか照らせないヘッドライトでは暗くて先が見えない。 だがバックで戻るより、このスペースで車を回そうと私は思った。

そのスペースに入るにつれ、徐々にヘッドライトが左から右へと前方を照らしていく。 そこで私の恐怖はMAXに達した。
なんと、そのスペース奥が結構広くなっていて、そこには津波で流された車が山積みになっていたのだ。
私は急いで車を転回させ、来た道を猛スピードで走り抜けた。

山から出てAさんに連絡をしたが返信は来なかった。
これはAさんの悪ふざけだったのか、それとも・・・

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