【第一夜】存在感

これから書き出す文章の数々は、確かにあったはずの出来事です。

私には6つ年の離れた弟がいます。
その弟が体験した話です。

私の弟、仮に“B”とします。
そのBはときどき影に遭います。
出会うのは決まって夜中の自宅1階で、影のように真っ黒で2mほどの長身。
(この影の見た目は、実は私も見たことがあり
 Bの見たものと一致していました)
不備な点があるかもしれませんが、そこは勘弁してください。

ある夜、目が覚めたBはトイレに行こうと一階へ下ります。  
廊下は上階からの明かりで少し明るかったのですが、
Bはその廊下に違和感を覚えました。
先ず、用を済ませ、Bは、薄明りのさす廊下で再び違和感と対峙しました。
正面には二階からの明かりでぼんやりと浮かび上がる洗面所への戸がある。
暗いのは当たり前、ただ、暗さがおかしい、
部分的に暗い、というより開いたように黒い。
人の形をっとている。
Bに緊張感が襲います。
それは、ジッとBを見えない目で見つめている。
(Bの話を聞いた私がその例えとして
 全身黒タイツを着た前傾姿勢のチェホンマンが立っているイメージ)
ただそこに佇むだけなのですが、Bには十分な打撃を与えていました。  

見間違えではない、理解の範疇を超えた何かがそこにいる。
思考回路の閉じたBは、静かに寝室に戻り何事もなかったように寝たそうです。 オチはありませんが、
代わりに後日談のようなものを何時か投稿しようと思います。
これで以上です。

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