私が高校生の頃、従姉弟と三人で今はもう廃墟になっている病院に肝試しに行きました。
その病院は昔、夜勤をしていた看護師が不審者に酷い殺され方をしたっていう噂がありました。
ちょうど夏休み中だった事もあり、朝から一緒に遊んで夕方過ぎにその病院に向かいました。
入り口から入り、真っ暗な廊下を懐中電灯で照らしながらゆっくり歩いていると、急に女性の声が聞こえました。
私は声を出してはいませんし、従姉(いとこ)の声でもありません。
私達は気のせいだと無理矢理納得して、また少しずつ歩き出しました。
すると何かに躓いて転びそうになりました。
何だろうと思い、足下を懐中電灯で照らしてみると… 古いナースシューズ…看護師さんが履いているような靴を履いた白い足が見えました…。
私達は悲鳴をあげながら逃げようと走りだしました。
その時、私のすぐ後ろからはっきりと女の人の声が聞こえました…
「もう……帰るの……?」