化粧水

これは私の叔母の話です。
叔母は毎年、お盆とお正月に私の家(叔母にとっての実家)に泊まりに来ます。
小さい頃は叔母のことが大好きだったので特に何も感じませんでしたが、あることをきっかけに家に来ることに恐怖や気持ち悪さを感じてしまうようになりました。

それは私が幼稚園児の頃、
毎年のように叔母が泊まりに来たときです。

ある年に叔母からプレゼントをもらいました。
それは可愛いうさぎの絵が書いてある350mlほどのボトルでした。
何かと尋ねると「化粧水」だと言われました。

化粧やスキンケアなど、大人の真似をしたくなる年頃でしたのでとても嬉しかったのを覚えています。

私はそれを洗面所に置き、毎日かかさず顔につけていました。
使い続けているとなくなってしまったので、叔母が泊まりに来た際にもう1つ欲しいということを伝えました。

すると叔母は気づいちゃったかと言いたげにニヤッと笑って
「あぁあれ、ただの水だよ」と言い放ったのです。

その時は「私に化粧水はまだいらなかったのかな」程度に考えていましたが、大きくなった今考えてみるとゾッとします。

水は放っておくとすぐに菌が繁殖してしまうことは、
少し考えれば分かると思うのです。

ましてや私はそれを洗面所に置いていたので、早いスピードで菌が増殖していたと思います。その菌だらけになった水を毎日顔につけていたと思うととても気持ちが悪いです。

それに、なぜ叔母がそんなことをしたのか理由が分からないのです。

私が毎日使うとは思わなかったとしても、わざわざうさぎの絵が書いてあるボトルを買うでしょうか。
プレゼントとしてあげるものがなかったのならお菓子などをあげれば、あの頃の私の年頃なら喜んだと思うのです。悪気はなかったとしても、私にはただの水だとカミングアウトしたときの笑った顔が忘れられません。

何よりも、自分の姪に平気でそんなことをする人が
親戚にいるということが恐ろしかったです。
拙い文章で伝わりづらかったと思いますが、今までで1番ゾッとした話です。

朗読: 怪談朗読と午前二時

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