こわいはなしつくりました・その3

こんな話を思いついた。

あなたは深夜、風呂に入っている。
髪を洗っていると横の浴槽からなぜか視線を感じる。
横目で見ると、浴槽の縁から目から上だけを出した女があなたを凝視している。
驚きのあまり声も出せず、そっと視線を前に戻してあなたは髪を洗い続ける。
気づかないふりをしていれば、そのうち消えるかもしれない。
そう思って、もういい加減シャワーで流してしまいたいのにいつまでも髪を洗っている。
だが女は一向に消えてくれない。
次の動作に移った途端、女が襲い掛かってくるような気がする。
現状を維持することしかできず、体が段々冷えてくるのを感じながら、あなたは途方に暮れる。

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