プリクラ

最近は通常のコンパクトカメラにも
美肌モードやデカ目効果がついていたりする。
写真は盛ってなんぼの世界となっている。
飲み会でふと
「最近のカメラで心霊写真を撮ったら霊も盛られるのかね」なんて話をした。
すると一人の女の子が「うん、盛れるよ」と返してくれた。

彼女が友達四人で遊んでいた時、いつものようにプリクラを撮る事になった。
ゲームセンターの一角にあるプリクラ機で写真を撮る。
ノリノリでポーズを決め、盛りはMAX、スタンプやペンで落書き。
カタンッ プリクラが出てくる。
「えっ、何これ!?」
写真はどれも歪んでいて、顔の判別が出来ないような状態だったらしい。
「これはヤバい」「こわっ」と口々に言うと、
とりあえず店員に苦情を言いにいった。
「申し訳ございません。料金はご返金させていただきます」
店員はお金を返すとプリクラをどうするか聞いてきた。
彼女達は処分を頼むと、もう一度プリクラを撮ろうとプリクラ機へ。

すると店員も付いてきて
「使われますか? でしたら機械が故障しているか確認も兼ねて無料で機械を動かします」と言ってくれた。
店員に見守られながらもう一度撮影。
カタンッ 出てきた写真を店員が確認するや否や、
青ざめた顔でスタッフルームへと駆け出した。
「え? 何?」 彼女達四人の間にざわめきが走る。
お互いに顔を見合わせた後、店員の後を追った。
店員は店長や別の店員にプリクラを見せながら何か話している。
しかも機械には【故障中】の張り紙が張られる始末。
「どうかしたんですか?」
恐る恐る店員に話しかける。
店員は相変わらず青ざめた顔で困ったような表情を作ると
「見ますか?」と言う。
四人が頷くとプリクラを渡してくれた。
「で、写ってたんだよねぇ。四人のはずが五人。
ちゃんとデカ目で肌や髪が綺麗になってさ、めっちゃ怖かったけど、
めっちゃ盛れてたわぁ」

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