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五月のフリーマーケット

4月のある日、家のポストに地域のフリーマーケットのチラシが入っていた。

その地区の公民館で、5月5日に行われるらしい。

会場は公民館の一階にある体育館で、地区のフリマにしては大規模なものらしかった。

当日、掘り出し物があるかもしれないと、私はふらっと行ってみることにした。

公民館の玄関から入り少し廊下を進んで行くと体育館の大きな扉があり、閉まっている扉の前で、思ったより静かだなと一瞬思ったが、その大きな扉を開けて中へ入ると、多くの人と多くのブースがあり大変賑わっていた。

お祭りのような気分になりワクワクしてきた。

賑わう人混みの中に入っていき自分も人混みの中に加わった。

その賑わい様に、無意識に「すごいなぁ。」とひとり言を呟いた瞬間、その自分が発した声が体育館全体に響いた。

明らかに、目の前の光景と自分の声の反響音とにギャップがあり、混乱して激しい目眩に襲われた。

私は急いで体育館から脱出し玄関の脇の長椅子に腰掛けた。

目眩が治りもう一度体育館の中を覗くと、そこはガランと静まり返っており、人ひとりとしていなかった。

その後、家に帰ってもう一度チラシを確認してみるとなんら変わりはない。

…が、何気なく見た裏面に写真が印刷されていた。

五月人形と思われる人形が真っ直ぐこちらを見つめている写真が紙一面に。

気味が悪くてチラシはわざわざ近所のコンビニのゴミ箱まで捨てに行った。

翌日、そのコンビニでぼや騒ぎがあった。

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