この話は私が心霊廃墟で有名な三角の家がある地域に居を構えていた時の話です。
当時その地域に来たとき小学校のPTAの関係でオヤジの会と云うのが結成され、私は招待と云う形でそのメンバーに加わる事となりました。
青少年の非行防止の目的もあり夜回りなどを中心に活動するのが目的でした。
その中でも重要視されていたのが『三角の家』付近の夜回りでした。
当時では結構有名な心霊スポットともなっており県外からも観に来る場所でしたが、地域の子供たちも面白半分で肝試しに来る事もあり近寄らせないのも目的でした。
三角の家の周りは普通に家や正面には会社などもある場所ではありましたが、その一角だけは異常な雰囲気を放っていました。
そこを車で通る度に不思議と信号に引っ掛かるので嫌でも観てしまいました。
二階の窓から必ず女性が此方を視ている。
日中でも確認できるほどでした。
そんな折、事件が起きてしまいました。
隣学区の女子中学生が面白半分で 三角の家に訪れ敷地内には入らず、外から家をバックに自撮りをしました。
その時点では何も写ってはいなかったようですが、自宅に戻り就寝前に 改めて写メを確認すると家の方から何本もの手が本人に向かって伸びていたとの事。
その子は慌てて写メを削除したようですが、翌朝携帯を開くとその写メが画面に出ていたのです。
本人はパニック状態となり親御さんが病院に連れて行くも全く異常はありませんでしたが、精神的に可也ひどい状態となっていたので、そのまま精神科に入院となってしまいました。
その子が入院した翌日、当時のオヤジの会会長(PTA会長)より連絡があり会う事に。
会長はその子の携帯を持ってきて『和尚、此れを見てください』と。
そこには先程書いた 写真がハッキリと写っておりましたが、内容が変わっていたのです。
手が伸びて来ていたとの写真と聞いていたのですが、私が視た時には無数の手が その子を包み込むような写真に変化してしまっていたのです。
私は視た瞬間に『会長。これはアカン‼祓いをせんと死んでしまうぞ‼』と伝えました。
『和尚で祓いはできませんか?』と言われましたが、当時の私の力では到底太刀打ちできる者ではなかったのと、その子の家はクリスチャンでもあったので宗教上の違いもあり受ける事もできませんでした。
此のことをきっかけに学区を飛び越えて『三角の家には近づかないように』と云う異例の通達を 出していただきました。
この話はタブーとなり、その家族も引越をしていきました。
数年前にその子の噂を耳にしましたが、完全に精神をやられてしまい施設での生活を 余儀なくされているとの事でした。
三角の家は2年程前に更地となり駐車場となり借りても見つかり直ぐに満車になりましたが、何故か数か月後には駐車場は閉鎖状態となり現在に至っているようです。
更地になった今もなお怨念は消えてないのかもしれません。
私も地域を離れてしまいましたので近々に一度訪れてみたいと思っております。
合掌