もう1人の家族

 母の体験談です。
 霊感のある親戚から、どうしてもそちらに行きたい、と電話があったそうです。
 早くに亡くなった兄が、助けてやってほしい、と訴えるかららしいのです。

 母は、私が就職をして一人暮らしを始めてからは父と二人暮らし。
 なのに、食料品を何故か三人分用意しないと気がすまない。
 二人分だけ用意したら、罪悪感で父に、「今は二人家族よね?」と何度も念をおして気味悪がられていたそうです。

 親戚が来て家に入ると、部屋の隅におはあさんが。
 ここの人が優しいからここで家族のように過ごしたい、とおばあさんの霊は言うそうです。

 いくら優しくても、ここはあなたの家じゃない、去らないなら無理矢理にでも離れてもらうよ、あなたは あるべき場所に行きなさい、と説得してくれてそうです。
 そうしたら、おばあさんは深々と一礼をして消えたそう。

 それから、母は三人分の食事を用意しなくでも大丈夫になったそうです。
 母は、霊感のある親戚に頼らず直接兄のメッセージが聞けたら、と残念そうに話していました。

朗読: ゲーデルの不完全ラジオ

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