夜の駐車場の子供

これは、多少霊感のあるAの体験したお話です。

前回、霊感のあるお姉さんが
心霊スポットのマンションで怖い体験をしたお話を投稿しましたが、
今回はその弟さんの体験したお話です。
弟さんをAとします。

仕事終わりに、友達と一緒に小高い丘の駐車場へ
夜景を見に来たAとその友人B、
麓のファーストフード店で買ってきたハンバーガーを
車の中で食べながら話などして待ったりしていました。
ボーッと夜景を眺めていると突然Bが、
「あれ?あんなとこに子供がおる」 と、突然言い出しました。
Bは駐車場の隅の方に子供を見つけたようでした。
Aもその方向を見てみると、薄暗いのに子供がいるのがわかったそうです。

不思議なことに、該当をそれほどなく、
駐車場全体は薄暗いのにBは子供を見つけれたのです。
そう思っていると、
「こんなとこに子供が1人でおるのおかしくねぇ?」
そう言いながら助手席からBが出ていってしまいました。
慌てて後を追いましたが、
Bはすでに男の子の前にしゃがみこんで話しかけていました。
「どしたん?何で1人なん?お母さんは?」
話しかけるBに男の子は微動だにせずに、
「おかあさんがおらんの」 と、言ったそうです。
Bの後ろからその子供の声を聞いたAは、一瞬で鳥肌が立ったそうです。
直感でこれは、ヤバい!と感じたAは、
Bを掴むと力ずくで無理矢理車に乗せました。

Bが「何すんな!あんなとこで1人でかわいそうじゃろがっ!」
と、怒鳴りました。
「黙っとけ!こっからすぐ離れるで!」
Aはそういうと、もうスピードで丘を下り、
麓の近くのコンビニに止まりました。

その時にはもうBは落ち着いていて、
二人でコンビニに入ろうとして、体が硬直しました。
車の運転席の後部から後ろにかけて
たくさんの手形がびっしり着いていたそうです。
改めて冷静に考えると、あの明かりの少ない駐車場で
子供があんなにはっきり分かるわけがないと言うこと。
あの子供はこの世のものではなく、
今もまだ母親を探しているのかと思うと、
もうあそこにはいけないと思ったそうです。

あの時AがBを止めなかったら連れていかれたかもしれないと思うと、
ゾッとしたそうです。

その後は幸いAにもBにも何もなかったそうです。

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