花子さん

これから書くのは、大学の友達Aの話。

俺がAから話を聞いたときは、タンスに小指をぶつけて粉砕骨折プラス3日間の金縛りだったし、一緒に聞いたDはチャリにはねられて5針縫った。

まぁそういうことなんで此処で止めとくのもいいかもです。

ここからはAの話。
「俺とB、Cで廃校に行こう」って話になったんだ。
で、Bん家に集合してBの車で行ったんだわ。
その時点で3回くらいエンジンかからなかったんだけど、逆に「これ絶対なんかあるやん!」ってなって盛り上がってたんだ。
ワイワイしてたら着いたんだけど、思った以上に見た目がヤバかった。

ザ・廃校って感じで、結構有名な場所なのに何故か落書きがない。
正直怖かったけど言えるわけねーもんで
「ほら早く行こうぜー」とか言って3人で校舎に入ったんだ。

結局、校舎一周したんだわ。
でも、何も無かった。
Bが、「なんもねーじゃん!」って言って壁を蹴ったんだ。
そしたら壁にでっかい穴が開いた。
穴の向こうはトイレだったんだけど、人が立ってた。

おかっぱ頭に赤いスカート、白いシャツ。
そうなんだよ。まんま”花子さん”だったんだよ。
そんで窓を3回バンバンバンッって叩いて消えた。

泊まる予定だったCん家着いても皆ガタガタ震えてた。
あれはめちゃくちゃ怖かったなぁ。

と、そういう話だった。
その後、Aは階段から落ちて腕の骨と足の骨、肋骨を折った。
Bはその日使った車を事故で失い、Cは山で崖から落ちて今も入院中だ。
今まで誰も死んでないっぽいので、これ読んだ人も死ぬことはないと思うけど、お気をつけて。

朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-

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