かくれんぼ

あれは私が五才の時に、家の中で兄と妹と私の3人でかくれんぼをしていた時の話です。

兄が鬼でした。
私と妹が隠れる場所を探していて、私は父の部屋の押し入れに決めました。
父の部屋に行き押し入れをがらっと開けると、
押し入れの中は赤いライトで照らされたかのように赤一色になっとおり、
押し入れの下の段には、頭が剥げ上がった3人の老人が
胡座で座って晩酌をしていました。

3人の老人は一斉に振り返り、私を見てにゃっと笑いました。
怖くなった私は台所にいた母を指に行き、母を連れて父の部屋に行きました。
開けっ放しの押し入れはいつもの押し入れに戻っていました。
気がつくと、かくれんぼをしていた兄妹も集まってきました。
母からは「何も居ないじゃない?夢でも見たの?」と言われました。

3人の老人は昔、落語で聞いた死神にそっくりでした。
私はあのまま逃げずにあの場所に残っていたらどうなっていたんでしょう?

朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-

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