高校時代に体験したお話です。
そこまで怖い話ではないのですが、初めての体験だったので話させて頂きます。
高校2年になった時のお話です。
2年の校舎にはトイレが2階にしかありません。
トイレの中と言っても両サイドに並ぶ形で5つあり、そのうちの2つは和式でした。
ある日、私はお腹が痛くなったので、授業中に先生に許可をもらいトイレに行きました。
私はドアを開けた左側の掃除道具の前の和式トイレに入りました。
すると、出入口からバタン。と、誰かがドアを開ける音を聞き、「あ、誰か入ってきた」 と、思いました。
入ってきた人は、ペタ、ペタ、と、足音を立てて私の前のトイレへと入りました。
私はトイレも済んでいたので、直ぐに出れる状態だったのですが、 何となく、トイレで人とすれ違うのが嫌で、その人が出ていくまで待つことにしました。
前から布の擦れるような音が聞こえ、トイレットペーパーを巻きとるカランカランという音が直ぐに聞こえ ジャーと水の流れる音が聞こえたので、もう出るんだなと思い、その人がトイレから出ていくのを待ちました。
ガチャ、と、トイレの鍵を外してペタペタと出口に向かう足が聞こえたかと思うと シャーと水で手を洗う音が聞こえます。
よし、もう出ていくなと、私も出ようとした時、ペタペタと、こちらに近づいてくる音が聞こえます。
私は「え?」と思い、静かにしていると、再度その人は私の前のトイレに入って行き、ガチャ、と鍵を閉めました。
お腹でも痛くなったのかなと思いましたが、授業に戻らなくちゃと私が鍵を開けようとした時、前からガチャと音がしてペタペタと出て行く音が聞こえ、シャーと水で手を洗う音が聞こえ、 そして私の前のトイレへとペタペタと入って行く音が聞こえました。
これはさすがにおかしいと思いましたが、そう思った瞬間怖くなってしまい、 出るに出れなくなってしまいました。
私がトイレに入ってから20分程でしょうか、出たり入ったりを繰り返すその人に恐怖を感じながらも 次、その人が前のトイレに入ったら出ようと決め、その人がガチャと鍵をかけた瞬間に私はドアを開けました。
そのまま出入口に向かった時に前のトイレが視界に入り、私は唖然としました。
確かにドアの閉まる音はしたし、鍵を閉める音も、 そのあと、私がドアを開けるまでの間も前のトイレからは足音が聞こえていたはずなのに、そのトイレはドアも閉まっていなければ、人すら入っていませんでした。
しかし、床には小さな水溜まりのような後が15センチ感覚で残っており、まるで誰かが歩いていたように感じました。
私は背筋をゾッとさせながら 教室へ戻りました。
授業も終わり、外を見ると雨が降っていました。
携帯に父から着信があり、迎えに行こうか? との連絡でした。
父に迎えを頼み7時頃には着くとの連絡で、私は友達と教室で楽しく話をしていました。
父が学校付近に着いたとの連絡で私達は教室を後にしました。
夕方7時。 気付けば辺りは真っ暗です。
他の教室は電気を消していて、廊下の電気も消えていました。
私達は外のか細い街灯がうっすらと差し込む光だけを頼りに廊下を歩いていました。
階段を降りる間際、私は階段脇にある、小さな窓の外が何故か気になり、その窓から外を眺めました。
雨はまだ降っています。
しかし、微かに月が見え隠れしていて、光が見えました。
不意に肩をトントンと意外にも強く叩かれました。
私は一緒にいた友達かなと振り返ろうと、「なに?」と言いました。
すると、友達が「先おりてるからねー」と階段下から話します。
友達の声と同時に、私は後ろを振り返っていました。
私は不意にトイレで起きていたことを思い出し、そしてそのトイレはこの階段の真横にあるんだと思うと怖くなり、小走りで階段を降りようとした時。
またも強くトントンと、今度は首筋を人差し指で強く刺されたのを感じ、振り返ることもせず、そのまま階段を降りました。
その首筋からは、とても冷たい棒のような感覚だった事を覚えています。
その後、度々女子トイレでは人がいないのに足音や物音などがしているとのことです。