真夜中の老婆

これは5年前の夏、私が実際に体験した時の話です。

高校時代の友達と私含めて四人で麻雀をしていました。
その友達三人は元バスケ部と言うのもあり三人とも身長が180を超えていました ちなみに僕の身長は175。
何局か麻雀を楽しんだ後お腹が空いたと友達が言い出し休憩がてら近くのコンビニでご飯を買いに行くことになりました。

歩いて10分程の所にコンビニがあり四人で話しながら歩いていた時です。
後5分ほどでコンビニに着く所で友達の一人が急に立ち止まり後ろを振り向きました。 僕たちもそれに気付き立ち止まりました。

「どうしたの?」って聞くとそいつが
「いや、誰かに肩叩かれたからさ」 と言い、
そして振り向いてみるとそこには腰が90度近く曲がったおばあさんがいました。

こんな時間に気味悪いな、と思いながら
「どうしたの?」 と、その友達が聞くと老婆は
「家に帰れなくて困ってるのよ、私の家を知らないかい?」
と聞いてくるのです。

真夜中におばあさん一人で歩いてるのもそうだし、家に帰れないと言うおばあさんにも信憑性がなくこの状況にかなりビビってた私だが、放っておくわけにもいかず、話を聞くとどうやらこの近くに住んでいるらしいので送っていくことになった。

なんとか家まで送って行った後コンビニに寄り、弁当やらカップ麺を買いまた家に戻りました。

送り届けた後の道中から麻雀してる最中まで、あのおばあさんの話題でひっきりなしだったが、「最終的に幽霊とかじゃなくて本当安心したね」と言う話で落ち着いた。

その二ヶ月後、今度はその友達三人ともう一人仲のいい友達を呼んで麻雀をすることになりました。
その時に思い出したかのように友達の一人が
「そう言えば先週、気味悪い体験したよなぁ 」
と言い始めて、その場にいなかった友達が
「なになに?」と興味津々に聞いてきた。

その友達にその時あった話を細かく言い、
「でも今思い出しても、あの真夜中におばあさんいて、家帰れないって言われて家まで送ったけど、あの状況結構怖かったよね」
と話しているとその友達が言うのです。
「いや、それまじヤバイだろ、、、、 よくお前らそんな笑えんな」と。

確かにあの状況は怖かったけど、その後もなんともないし、ちゃんと家まで送り届けたし、そこまでその友達が真剣な顔して言ってるのがよくわからなかった。

「そんなマジな顔して言うことでもなくない? さ、麻雀しよーぜ!」
と僕は言ったがその後のその友達の一言で、僕ら四人は完全に凍りついた。

「なんで腰の90度近く曲がったおばあさんが180超えてるお前の肩叩けんだよ」

朗読: ゲーデルの不完全ラジオ

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