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ノックの音が

その日は東京で舞台観劇をする為に飛行機で向かい、いつも使っている系列のホテルが劇場近くになかったので適当に予約してチェックイン。

予定より早く着いたので近くのレストランで軽食を取り、夜に劇場へ向かいました。 舞台はとても素晴らしく、終わった後もしばらく余韻に浸っていました。
明日は仕事で戻らないといけないので、早々にホテルに戻って寝支度をしました。

さて、あとは寝るだけという時にノックの音がしました。
時刻は22時過ぎ、ホテルの従業員が何かを伝えに来たのかと思いました。

ですが、おかしいのです。
ノックの音と言いましたが5秒くらいの間隔をあけて扉を一回叩く音が聞こえます。
不審に思った私はフロントに連絡をして確認を取りましたが、従業員は向かっていないと言う。 不審者かもしれないと言うので、念のために見回りをしてもらいましたが異常はありませんでした。

ひと騒動あって、時刻は0時前です。
もう寝ないと、と思ってベットに潜り込みます。
しかし、先ほどの事が気になって寝付けません。

10分、30分とベットの中で寝返りをしていました。
コンッ と小さな音が聞こえました。
また5秒くらいの間隔をあけて コンコンッ と今度は二回連続で聞こえました。

不審者が見つかったと従業員が報告をしに来たのではないかと思い、ベットから起き上がろうとした瞬間に。

コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンッ
と断続的に扉をノックする音が聞こえました。

私はこれは従業員ではないと思い、電話を手に取りフロントに連絡をしました。
受話器からプープーという音がして、その後にコンコンッと聞こえてきて私はパニックなりました。

受話器を放り出し、ベットに潜り込んで目をギュッと瞑って現実逃避しようとしましたが、扉からも受話器からもノックの音が聞こえ続けています。

早く、早く止んでくれ。
と願っていたら、[バンッ!!]と部屋全体に鳴り響くような大きな音が聞こえました。 私の記憶はそこで止まっています。

翌日、チェックアウトの時間になっても出て来ないのを心配した従業員が来て目が覚めました。 飛行機の時間もありましたし、もうここにはいたくないと思い、早々にホテルから出て帰路に着きました。

今でもノックの音を聞くたびに少し身構えてしまいます。

朗読: 榊原夢の牢毒ちゃんねる

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