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魅入られた

こんばんは、以前投稿させていただいたTJです。

前回の「白いものと黒いもの」の話で、今の嫁C子と付き合っていた時。
自分自身に霊感が移ってしまい。
それ以降一時的に、いくつか不思議な体験や、怖い体験をしたお話をさせていただきます。
そんな中から、また一つ話をさせてください。
途中の会話のやり取りは、うろ覚えな部分もありますがご了承ください。

あるお盆も過ぎた夏の日、名前と場所は伏せるが、
C子の住んでいる県内にある湖で行われる花火大会があった。
夕方、C子を迎えに行き、目的地の湖に着いた時には花火を見に来た人で賑わっていた。
湖は山に囲まれた場所にあり、湖の真ん中辺りから反対側へと大きい橋が掛かっている。
その橋から花火を見ると湖にも花火が反射して綺麗に見えるのだ。
駐車場も少ない為、溢れた車は湖を沿うように駐車されていた。
僕らも着いた時間が遅かった為、
車を停めるスペースを見つけたのは、橋から相当離れた場所だった。

花火大会が終わった後。
これだけ人も多いし、出店も出ているんじゃないかと思い少し探してみる事にした。
しかし、 店など出ておらず、諦めて帰ることに。
次の日が平日だった事もあり、花火を見に来ていた人達は、終わって直ぐに帰ったようで、
あれだけ駐車していた車は全くと言っていいほど居なくなっていた。
来た時には全く気づかなかったのだが。
街灯の間隔も長く、たまに帰る車が僕らの横を通り過ぎて行く時以外、光が無い。
その為、携帯のライトで道を照らし歩いていた。

向かって左側が湖で、落下防止のガードレールがありそのガードレール横をC子。
僕が道路側を歩いていた。
歩きながら世間話をしていたんだが、
C子の反応が薄くなり、そのうち黙りはじめてしまった。
体調が悪いのかと思い、声をかけようとした時。
不意に、C子が僕の手を強く握り小走りで歩き出した。
僕「なに?!どうした??」 と言っても無言。
車に乗り込むと、早く行こうの一言。
なんとなく察していた僕は、言われた通りその場から逃げる様に車を走らせた。
道中コンビニなどは無く、少し走らないと車を停める所もないし、灯りも少ない。
やっと、遠くにコンビニの看板の灯りが見えた時。
僕はふと、気になるものが目に入ってきた。
反対車線の歩道に人? が後ろを向いて立っていた。
遠くにあるコンビニの灯り以外、街灯も無く暗いのに、
黒髮の痛んだ様なバサバサの長い髪の女の人だと何故かわかった。
体は黒い服を着ているのか、周りの暗さと同化して見えなかったのだが、
すごくその女の人が気になって無意識に目で追っていた。

どんどんと近づいて行き、通りすがりに何気無しに顔見ようとしていたら。
バシ!っと、後頭部を突然叩かれた。
フッと、我に帰って助手席を見るとC子が
C子「そっちを見てちゃダメ」 と一言。
僕もその一言で事を理解し、運転に意識を集中して、その場を通り過ぎ先のコンビニに入った。
エンジンを切り、無言のまま二人とも車から降りる。
夜の蒸し暑さと、ここまでの道のりの出来事で僕は汗だくになっていた。
コンビニの明るさと、僕たち以外にも客が数人いて、
多少気持ちが落ち着いてきたのでC子に聞いてみた。
僕「今のって……」
C子「うん…あのまま見てたら目が合ってたかもしれないから…」
僕「でも、普通に見えてたし生きてる人って事も」
C子「頭だけの生きた人なんかいる?…」
僕「え?…だって、黒い服着てたじゃん?」
C子「…服じゃない…髪の毛だよ…」
僕が服と思っていたのは、長い髪の毛が下まで垂れていたらしく。
あのまま見ていたら良い事は無かったと、C子は言っていた。
そんな事を聞かされて、僕は言葉に詰まってしまった。 少しの沈黙の間。
湖での事を思い出し聞いてみた。

C子が言うには花火が終わり、車までの道中。 話しながら並んで歩いていると。
ふと、C子が僕の右手側に気配を感じ、僕の方を見たらそこに人がいたらしい。
その人は真っ黒で背はかなり高かったそうです。
その黒い影が、大きな身長を「く」の字に折り曲げ。
僕の顔を覗き込み、一緒に並んで歩いてらしい。
一瞬C子は何が起こっているか分からず、黒い影を凝視していたらしく。
僕の事を覗き混んでいた影が、不意にC子に顔を向けたらしい。
その影は表情は分からないが目だけはハッキリと分かり、C子と目が合ったらしい。
その瞬間。 ヤバイ!と思い。 僕の手を引いて車まで逃げる様に走ったのだとか。
その事を聞いて全身に寒気を感じたのを覚えている。

次の日は、C子が仕事だったこともあり。 C子を送り届け、僕も家へと車を走らせていた。
すると、突然携帯の着信が鳴り響いた。
車を停め電話に出ると。
僕「もしもし?」
T「あー俺俺、今何してるの?」
電話に出ると、友人のTからだった。
僕「今彼女家送ったところで、 これから家かるとこ。なんで?」
T「今、中学の時のテニス部メンバー数人で小学校にいるんだけど来ない?Sもいるしさ」
SとTとは小学校からの付き合いで今でも2人とは飲んだりする仲だ。
僕「良いけど〜何で小学校??」
T「ちょっと……どうしても、お前に来てもらいたくて……さっきからずっと来て欲しいと思ってて……」
僕「おいおい、酔っ払ってんのか??」
T「きてよ?…来て欲しい……来て来て来てよ??」
僕「わかった!わかったよ!!……ただまだ帰るまでに時間かかるから何時に着くかわかんねーぞ??」
T「大丈夫…待ってる何時でも」
僕「なんかお前変だぞ??大丈」
ブツ…プープープー…
一方的に電話を切られ、少しイラっときたのを覚えてる。
Tは酔っていても普段とあまり変わらないのだが、この時はかなり様子がおかしかった。
だけどその時は、相当飲んだのかな? ぐらいにしか思っていなかった。

再び車を走らせ、少し経った頃。 またしても携帯が鳴った。
再度車を停め、電話に出るとSからだった。
S「もしもし!〇〇か!?」
僕「ん?どうした??今小学校にいるんだろう??」
S「やっぱり……Tから連絡あったんだろう??」
僕「あぁ、だけど相当酔っ払ってた感じするぞ??」
S「……なんか言ってたか??」
僕「みんなで小学校にいるから何時になっても良いから来てくれ。って言われたけど」
そう言うと。 Sは少し黙った後。
S「悪い〇〇…今日はこっち来なくて良いからそのまま帰ってくれ」
僕「え?何で??」
S「まぁ〜……ちょっとな」
S「悪い!また今度ちゃんと説明するから、本当ごめん!またな!」
そう言うと、またしても一方的に、電話を切られた。
ブツクサ文句を言いながら車を走らせ、家に向かったのを覚えている。

家に帰る前に、地元で一軒だけあるコンビニに寄ろうと駐車場に入ると、見たことある連中がいた。
そう、Sとテニス部の連中だった。
向こうも僕に気付いたようで、車を停めると寄ってきた。
車から降りると一言目に聞いた。
僕「さっきの電話なんだよ??」
S「悪いな、あの時はちょっとこっちも焦ってたんだよ」
Sがそう言うとテニス部の奴等は、うんうん、と首を縦に振っていた。
ちょっとイライラしながらも、さっきの電話での話をしていると、Tが居ないことに気がついた。
僕「おい、Tはどうした??」
S「ん?あぁ…気分悪いみたいで、今車で寝てるよ」
やっぱ飲んでたんじゃねーかよ。 なんて思っていたら、Tがフラフラと歩いてやってきた。
その時のTは、見たこともない様な顔面蒼白。
僕等が話している所にやって来て、突然地面に寝転ぶ始末。
僕「おいおい、何があった?流石にこのまま帰る気にもならねーよ」
そう言うと。 流石にSも今度話す。 と言う雰囲気ではないと思ったらしく。その時の事を淡々と話し始めた。

その日。 皆は、久ぶりに集まってテニスをやっていたらしい。
日も暮れ始めた頃。 Sの家に一度集まり中学の話や、それぞれの大学の話、就職も近いこともあり会社の話などしていたらしい。
20時を回った頃。 飯をコンビニで買って、小学校でサッカーでもしよう。
そんなに流れになり、小学校へと向かったという。
小学校に行くには急な坂道を登らないとならない。
坂道を歩き始めた時、Sは坂道の前で立ち止まっているTに気づいたらしい。
S「T何やってんだよ?行くぞ?」
T「……バ…ヤ…….イ…..イカナ….イイ….」
S「Tの奴何回呼んでも来ないし、ずっとブツブツ何か言ってたから、皆んなで一旦Tの所に戻ったんだ。そしたら」
T「ヤバイ…ヤバイ…行かないほうがいい」
S「って言ってるわけ、ふざけてるのかと思って連れてこうとしたら、凄い抵抗してさ」
S「でも先に行った奴らもいるから、残った俺達で無理矢理引っ張って行ったわけよ」
Sが言うには、小学校でサッカーと言っても、ダラダラとくだらない話で盛り上がり、ただの玉転がし程度。
グラウンドの電気も点いている訳でもないので、ボンヤリと目が慣れて見えるくらいだったらしい。
少し経った頃、Sはグラウンドの端にある、外トイレへ歩いて行くTの姿を見たらしい。 あまり気にもしていなかったのだが。
またブツブツと何か言いながら、フラフラと歩き戻って来るTに、皆んなが気づいたらしく。
元々そんなにふざける様な奴じゃないので、流石にS達は心配になり。
S「おい!大丈夫か?!気分悪いのか?」
T「……ヤ…から…..あ…つ……よ…..だ」
S「え?なに?聞こ」
S「聞こえないって、言おうとしたらさ。あいつ……ゲラゲラ笑いながら校庭中に響き渡るくらいの声で」
T「ヤバイいからぁぁー‼︎あああいつ呼んだ‼︎」
S「暗かったから、しっかりと見えた訳じゃないけど…その時のTの顔…見た事ない表情と言うか、全然知らんない人の顔だった気がするんだ」
S達はTの言動に怖くなり、学校から出る事にしたのだが。
T「い、今ここから出たら…や、や、や、ヤバイからぁー!あ、ああ、アイツ来るまで待ってないと!」
と、ゲラゲラ笑っていたらしい。
その時のSはTの言うアイツが気になり。
S「さっきからお前が言うアイツって誰だよ?…」
T「○○だよ。○○を呼んだ」
それを聞いてSは慌てて僕に電話をしてきたと言う。
その後どうにか学校から逃げ帰り、学校の正門から出た瞬間。
Tはゲーゲー吐いてしまい、立っていられない状況だったらしい。
何とかコンビニまで戻り。 友達の1人が車を持ってきて、Tを車で休ませていたら僕がコンビニへ来て今に至る。

後日Tにあの日の事を聞いた。
しかし、本人は学校へ行く上り坂辺りから記憶が途切れ途切れで、
学校の正門前を最後に、全く覚えていないとの事。
あの日1日で起きた出来事。
あれは… 湖から実は付いて来ていて、その者の仕業なのか。
それとも別々の者なのか。
今となっては分かりませんが、呼ばれたと言うことは…魅入られてしまった。
と言うことなのでしょうか。

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