交通事故の危険性

身近な人間にしか話していませんが、
今も尚不思議な体験だと思っています。

所々記憶違いがあるかもしれませんがご容赦ください。

記憶は朧気ですが、当時私は小学4年生ぐらいだったと思います。
とある夏の日、体育館で全校集会がありました。
ある警察官の二人組が、「交通事故の危険性」について話をしに来てくれたことを覚えています。

一人は痩せ型で、もう一人は少しがっちりした体型だったと思います。
痩せ型の方の警察官は、毎年交通事故によって奪われる命などと言った話をしてくれました。

その後、もう一人の警察官は、自分が体験した話を語ってくれました。
その内容というのが以下の通りです。

今日よりも少し蒸し暑い夏の日のことです。
その日は地域で祭りがあり、神社の前では沢山の屋台が並んでいました。
太鼓の音や笛の音が鳴り響き、提灯がぽつぽつと道沿いに並んでいました。
私は、見回りのために神社から少し外れた場所を歩いていました。
道路には、りんご飴の棒やたこ焼きの入っていた白いトレーなどのゴミが落ちていました。
私はゴミ袋を抱えて、それらのゴミを拾っていました。

暫く進むと、道路の排水溝に一枚のお面が落ちていました。
暗闇の中でも分かるほどに良くできたそのお面を、私は拾いました。
しかし、その感触は本来固いはずのお面とは違い、薄っぺらく、そして何やら湿っていました。

よく見ると、それは人間の顔の皮でした。
後で聞いた話によると、その日、その道の近くでバイク事故があったそうです。

その皮は、その時に亡くなられた男性のものでした。
祭囃子の音で事故の音が聞こえなかった私は、綺麗に剥けた皮を仮面だと勘違いしてしまったのです。


子供ながらに、かなり怖かった話で、トラウマとして未だに根強く頭の中に残っています。 ですが不思議なことに、この話を今、同級生にしても、皆が「聞いた覚えがない」と口をそろえて言います。

正確には、警察官二人組が来て話をしたことはあるが、内容は「麻薬の危険性について」だったとのことです。
私も麻薬の話をされた覚えがありますが、確かそれは私が当時6年生ぐらいの時の話だったように記憶しています。

何かしらの創作物を読んで、もしかしたら記憶が混合しているのかもしれないと思いましたが、 ネット上では元ネタらしき話は今のところ見つかっていません。 その警察官は全国を回って「交通事故の危険性」についての話をしているということだったように思います。

この話について、聞き覚えはありますか?

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