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タンスからの着信音

高校生の頃、私は一時期ホラーものにはまっていました。
都市伝説、未解決事件、ホラー小説・映画、などなど、
とにかく少しでも”怖い”くくりに当てはまりそうものならなんでもござれという雑食っぷりでしたが、
中でも某匿名掲示板からまとめられた洒落怖が大好きでした。
深夜家族が寝静まった頃、親にバレないよう部屋の電気はつけず、
ノートPCで有名どころのお話を2、3話ほど読んでから寝る、というのが当時の日課となっていました。

ある夜、いつものように真っ暗な自室でその日興味をそそられたお話を読みふけっていると、突然左側から音楽が聞こえてきました。
すぐにその音楽が数年前、画面が壊れて以来ずっとタンスにしまいっぱなしだった携帯の着信音であることに気付くと同時に、
ちょうどいいところで読んでいたお話を中断されたことへ無性に腹がたってきました。
舌打ちをしながら椅子から立ち上がり、タンスの一段目の引き出しを乱暴に開け、衣服類の奥底からうるさい携帯を取り出して即電源ボタンを長押ししました。
画面は相変わらず壊れていて真っ暗でしたが、
電源が入っている間は側面が光るタイプの携帯だったので、
光が消えるのを確認した後、タンスにもどし再びノートPCの前へ座り直しました。

どれくらい経ったのか、お話を読み終え
『今回のも良作だったな』などと余韻に浸っていると、またタンスから音楽が聞こえてきました。
流石に今度は何かがおかしいことや、着信音が使っていた当時設定してあった着信アリのあの音楽であることにも意識が向き、ドッと恐怖が押し寄せてきました。
壊れてから今までの数年間ずっとタンスにしまったままだった携帯が何故今更?
そもそも壊れた時にSIMカードも抜いていたのにどうして着信できてるの?誰から?
色々思うところはありましたが、個人的に一番怖かったのは、
何故一度目に携帯が鳴った時点でこれらの違和感を一斉覚えずあれほど苛立ちを感じたのか、です。
色々な点にビビりながらもその日はまた携帯をタンスから取り出し、
今度は裏のバッテリーを取り出してやり過ごし、次の日に実家のリビングにある棚の引き出しに移しました。

その後は、当時金欠だった弟に見つけられたその携帯は私の快諾のもと売り払われ、
今まで私自身にも身近でも、何か怪奇なことが起きたなどは特にありません。

強いて言えば、偶然とは思いますが、
このお話を投稿する際まず参考として当サイトの他の方のお話を読もうとランダムで選んだお話の内容が、
この体験談と似通っていたくらいです。

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