少し前の話です。

寝る前にふと「鍵閉めてないかも」と思い出し、
玄関に行ってドアを押したら少し開いたんです。
急いで閉めようとしたら、そのドアの隙間から裸足の足が見えたんです。
両足の親指を合わせるようにして、玄関の正面でなく斜め向きに立っているような感じでした。
びっくりしてすぐドアを閉めて鍵をかけ、
布団に入ってイヤホンをして音楽を流しました。
最初は怖くて動けなかったのですが、
もしかして家出した子供とか助けを求めている人かもしれないと思い、
もう一度玄関に確認しに行きました。
まずのぞき窓を見てみたのですが、そこには誰もいませんでした。

勘違いということにしようか、一応外に出て確認しようか迷って、
いったん廊下のほうへ戻った時後ろで「ガチャッ」という音がしました。
明らかに玄関の鍵が開く音でした。
すぐに鍵を閉めなおすと部屋中の電気をつけて、
夜が明けるまでずっと鍵が開かないように手でツマミを押さえていました。
怖くて逃げだしたい気持ちをなんとか押し殺して、
「ドアが開いたら何かが家に入ってくる」と思ってずっと耐え、
日が昇ってきた頃に限界を迎えて気を失うように眠ってしまいました。

それから少しして目を覚ました時にはすっかり朝になっていて、
寝不足なのもあってふらふらになりながら部屋に戻り、
布団に入って目をつぶった瞬間玄関のほうから
「ガチャッキィィ」 という音がしました。

それ以来玄関には盛り塩を置いて、
家に帰ったらすぐに鍵を閉めるようにしています。

でももし、すでに家の中に入ってきているのだとしたら、
こんなことしても効果はないのかもしれません。


朗読: AHM怪談チャンネル 北野由美
朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-
朗読: 怪談ロード倶楽部

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