換気扇

私は茨城のある団地に住んでいます。

ここの団地の近くにある中学校の裏側の道が昔お墓であり、
とても空気が不気味です。
中学のときに学校にまつわるいくつかの独特な怪談話をたくさん耳にしました。
実際それは経験した先輩から聞いたもので、
とてもリアルで怖かったのを覚えています。
さらにそこの中学校では古びた北棟と新しく建てられた南棟があって、
古びた北棟の一階の奥の暗い部屋には
中学の工事中に亡くなったかたの仏壇かなんかがあって、
その部屋だけが内側から窓にダンボールがたくさん貼られており、
外から全く見えないようになっている部屋があるんです。

こういったように中学からこの辺は良く出るよと耳にしていたのですが、
自分は学校では、古びた北棟と新しく造られた南棟を繋ぐ廊下の窓を外から見上げたときに黒い影がスーッと通るのをみたくらいで、
対してとても怖いと言う体験がなかったのです。
しかし、まさかの中学ではなく、自分の家で怖いことを体験するとは思ってもいませんでした。

今から約1ヶ月か2ヶ月前くらいに体験した、
今までにないくらいゾッとした話を書きたいと思います。

ある日私は、学校の後に美容室に行って髪の毛を切ってもらって、
とても可愛くできあがってルンルンで音楽を聴きながら帰っていました。
家についたら、今日親が夜勤で留守の日だと知ってさらにテンション上がり、
速攻自分の部屋に入って髪の毛に似合うメイクや服装なんやらを試したりして友達に写真を送ってたりしました。
今日は良いこといっぱいだな幸せだなんて思っていたりもしました。

あれこれして数時間が経ち時間を見ると、
もうすでに夜の11:45を過ぎていて、そろそろお風呂入らないとなあと思いお風呂に入りました。
お風呂から上がるともうすでに12時半を回っていました。
全裸のままキッチンまで行って歯を磨いて音楽に乗りながら歌ってたときに、
ふと換気扇のほうに目が行ったのです。
そこで あ、換気扇の羽1個壊れてんじゃん〜、外丸見え!
と呑気に考えながら、真っ暗な換気扇の奥の向こうの景色を覗きたくて
ジーーっと近寄りながら見つめていたら、私はあることに気付いたのです。
「目が、、ある、、」
私は換気扇の外からこっちを覗いている片目と目をずっと合わせてたのです。
一瞬固まって我に帰った瞬間 え、えっっっ、と小声で言って
戸惑いながらも歯ブラシを咥えたまま、
携帯とパジャマを手に取って部屋にダッシュしました。
急いで服を着て震える手で友達に電話をかけました。
タイミング悪く3人に電話して3人とも電話に出てくれませんでした。
なんでこういうときに!!と思って泣きながら布団を被りました。
布団をかぶりながら、換気扇の近くにある窓は閉まっているかだの考えながら、
その何者かが入ってこないか心配で体がガタガタしていました。

時間が経って少し落ち着いても布団から出たときにこのあとどうしようか、
リビングに行ってまだ覗いていたらどうしよう、、と不安でいっぱいでした。
結局そのまま寝てしまおうと、口の中が歯磨き粉の味でいっぱいでしたが気にもしませんでした。
今は換気扇の壊れた羽はもう直されていて、
もうこれ以降は経験することはないであろうと信じています。
しかし、あそこで覗いていたのは何者かがとても気になってしかたがないです。
霊であればまあ、たくさん出るんだろうからな。くらいにしか思えないけれど、
換気扇の向こう側はベランダになっていて人が立っててもおかしくないので、
もしあれが人間だったら、ずっと換気扇の奥からお風呂上がった全裸の私を眺めていた、、、
となると怖さが100倍増します、、、
何者を知りたい半分知りたくない半分で
今でも昨日のように鮮明に覚えています。
それからはお風呂の後、ちゃんと部屋着を着るようにしています、、

朗読: ゲーデルの不完全ラジオ

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