気配

いつからそう感じるようになったのか今となっては思い出せない

部屋で一人テレビを観ている時
部屋で一人本を読んでいる時
部屋で一人パソコンでインターネットをしている時
部屋に自分一人だけなはずなのに、背後に人の気配を感じる
風呂でくつろいでいる時
トイレで用を足している時
髪の毛をセットしている時
別に他人の息づかいが聞こえたり、声が聞こえたりするわけではない
だけれども、背後に人の気配を感じる
本棚とタンスの隙間
ベッドで仰向けになったときの天井
夜、ふと全ての音を切って無音になった部屋
誰かに見られているような気配を感じる
でも当然誰かがいるわけではないんだけれど…

なぜそう感じるのか自分でも分からない
別に霊感なんてものは自分にはないし…
しかし、その何かの気配は日に日に自分に近づいてきている…ような気がする
この前まではこんなに近くなかったはずなんだ
背中に密着するかどうかという距離までには…
最近は反射するものを避けるようになった
別に何かおかしなものが写っているわけでもないし、
実際何も写ってはいないのに、 何かが写りそうな気がしてから見られなくなってしまった

もう鏡はしばらく見ていない
電源の入っていないPCのディスプレイなんかも意識的に避けたり、
どうしようもない時は伏せて置くようになった
また夜寝る時、壁に写る自分の影が時折自分とは別の動きをしているような気がしてしまい、
照明を点けておくべきか消すべきか悩み、点けていても消していても”何か”のことが頭から離れず
気付くと朝を迎えていることが増えた…
自分の周りには”何か”が本当にいるのだろうか…
いないはず、いないはずなんだけれども、気になって気になって気になって…
何かが頭から離れない ーという日記が、
原因不明で亡くなった男性の部屋から見つかった。
という話を知り合いの警察官から聞いたのだが…。

最近その知り合いも妙に背後を気にしたり頭上というか頭を気にしているのか、
髪の毛を弄る仕草がやけに増えた気がする。
スマートフォンの画面を見る時も、
画面を真上に向けて斜めから覗くような不自然な体勢で見るようになった。
それを見ていたら、なぜかどんどんとその知り合いの仕草が気になって気になって、
ふとした時にはそのことばかりで頭が一杯になってきて…。
とうとう知り合いが [私の頭から離れなくなってしまった]

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