奇妙な夢のお話し

これは私が6~7年前に部活のOBの方から聞いたお話。
彼は20歳になるまで霊感が強く、予知夢を見たり、虫の知らせを聞いたり、
朝起きたら閉め切って密室状態の部屋にハトが侵入していたなどの
不思議体験等をよくされていたようです。
今回はそんな彼が19歳の頃に見た奇妙な夢のお話をさせて頂きます。

彼の事は仮にAさんとさせて頂きます。
Aさんは夢の中で母校である高校の教室にいて、周りには中学時代の同級生、
高校時代の同級生、その他友人等、自分の知り合いがおり、
皆で話をしたり、盛り上がっていたようです。
ですが、その中に1人知らない人が1人、ぽつんと教室の机に座っているのを見つけ、
少し変に思いながらもその人に
「お前どっから来たん?」とフレンドリーに話しかけたそうです。
そしたらその見知らぬ青年はこう答えました。
「俺な、帰られへんねん」
そこで1度異様な気味悪さを感じ、ゾワっとしたAさんは1度目が覚めたようです。
時計を見ると夜中の2時半。
気持ち悪い夢見たな〜と思いながらも二度寝をする事にしました。
そうするとまた夢を見たのです。

場面は変わり、今度は高校時代の同級生の地元で友人5人ぐらいで遊んでいたのですが、
偶然、高校時代の同級生の地元の先輩と出会い、
計10人程度で一緒に遊ぶ事になりました。
そこでその地元の先輩がある遊びを提案しました。
「あそこにビルあるやん。あのビルには地下にずっと続く階段があんねん。
制限時間10分の中で誰が1番早く下に行けるか競走しようや。」
それをきいた友人たちは おもろそうやん、やろうやろうと盛り上がりました。
そしてその先輩がこう付け加えたそうです。
「実はな、これは俺らの地元でちょっとした都市伝説になってんねんけどな、
その制限時間が来た時に1番下におった奴は
帰ってこられへんって言われてんねん。まあ、都市伝説やけどな」
少し気味の悪い話を聞いたものの、好奇心が勝り、実地することになり、
各自タイムを測り競走することになりました。
実際にゲームが始まると、Aさんは1番速く先頭を走っていたようです。
そしてあと数秒で10分、というとき、Aさんはあることを思い出しました。
"その制限時間が来た時に1番下におった奴は
帰ってこられへんって言われてんねん。”という友人の先輩の言葉。
やばい!と思ったAさんはその場でピタっと立ち止まりました。
その瞬間、自分の横を誰かが通り抜け、二、三歩先で立ち止まった瞬間に
10分を知らせるタイマーがなりました。
そして自分を最後の最後で追い抜いた二、三歩先にいた人物が
ゆっくりとこちらを振り向いた時にAさんはゾッとしたそうです。
そうです。 Aさんを追い越した人物は、最初の夢に出てきて、
Aさんに帰られないと告げたあの見知らぬ青年だったのです。

夢はここで終わり、Aさんは恐怖で飛び起きたそうです。
「ほんまにあの夢は気持ち悪かった、今でも忘れられへんわ〜」
と私達に話してくださいました。
そしてAさんは私達にこう言いました。
「俺、あん時あのまま1番下におったら、どうなってたんかなって考えんねん。
もう目を覚ますこと出来ひんかったんかなって」
それを聞いて本当にゾッとしました。
そして、その話を聞いた私を含めた数人はその晩朝まで眠れませんでした。

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