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狩り宿の男-最終回-

「神棚をぶっ壊すとか、そーゆーことはしちゃいかんだろ~」
そう言ってボクの意見に反対してきたのは、先輩カメラマンのM氏。
(※心霊写真を否定する先輩カメラマン参照)
ボクの会社にはいつのまにか怪しい宗教団体の人間が入り込み、
会社乗っ取りの危機にある。会社が乗っ取られるとセミナーを通じて全国の医師に取り入り、
日本の医学界の裏に怪しい宗教団体がはびこる危険性がある。
(※狩り宿の男-3-参照)
そこでまず、社内に怪しげな呪いを振りまいている神棚の粉砕を、
広告代理店時代の先輩のM氏に電話で相談してみたのだが、反対された。

翌日深夜、先輩が会社にきてくれた。他の社員はもう誰もいない。
ボクと先輩で神棚を見上げる。
「けっこう立派な神棚じゃん。おまえんとこの社長はよっぽど信心深いんだな」 先輩が言う。
「呪いだかなんだか知らないけどさ、神棚に罪があるわけじゃなし、 要はこの中にあるものが問題なんだろ? 
オイどっかに脚立とかないか?中身取り出そうぜ」
どっちが不敬なんだかよくわからないが、ボクは脚立を持ってきた。
スイスイと脚立を登って神棚を覗く先輩。
神棚の扉を開けたり閉めたりしてご機嫌だ。
「オイオイ!封切ってない酒があるぞ!伊勢神宮の酒だ!飲もうぜ!」
「ダメです!」
ホントに不敬だ。
酒をあきらめた先輩がやっとのことで神棚の中身を取り出して降りてきた。
それは折りたたまれた紙で、表には文字のような模様のような、梵字のようなものが書いてある。
「これが呪いのお札ってわけか」
「先輩、開けてみましょう」
「いや、こーゆーものはな、燃やすに限るんだよ。心霊写真だって燃やして処理するんだよ」
(・・・先輩、心霊写真否定するくせに、自分が撮ったのは燃やしてお祓いするのか!?)
灰皿を用意して、ライターでお札をあぶる先輩。
「こっくりさん、こっくりさん・・・我をお守りください・・・」
「えっ、先輩なんで今こっくりさん呼んでるんですか!」
「大体のオカルトじみたことはこっくりさんで解決できんだよ!いや~子供のころ得意だったな、 こっくりさん。
ちょっとチカラ入れてス~って動かすともうみんな大盛り上がりでよ(笑)」
(この人ほんとうに大丈夫だろうか・・・)
「オイなんか出てきたぞ」
「えっ?」
ボクも灰皿の中を覗いた。
燃えたお札の中から、骨の燃えカスが出てきた。
死んだおばあちゃんの火葬で見たことがある。骨特有の構造をしたものだ。
しかも一本、犬歯が出てきた。 間違いない。
以前X氏から聞いた「ノテさんの儀式」で作られたものだろう。
(狩り宿の男-2-参照)
当たりには髪の毛を燃やしたような匂いが立ち込めている。
「とりあえずさ、これもって社長のとこ行って説得してみれば?」
「わかりました・・・」

ここから先は怪談とは関わりない部分もあるので、話を端折りますが、
この狩り宿事件をずっと追っているジャーナリストのX氏と一緒に社長の入院している病院へ行き、
社長を説得し、新しく新進の経営アドバイザーと社外取締役を雇い、
日本国内でも最大の経営塾に入ることで 経営を刷新。
社内にいた怪しい宗教メンバーは全員一斉にクビにしました。
また、ノテさんの相談を最初に聞いた住職もX氏の話に乗ってくれ
「敵は合気道の道場をやってるそうですよ」 と言っても
「私たちの総本山では、戦国時代から僧兵を育成して戦国武将と渡り合ってきた武闘派ですからね。
この袈裟なんかも蹴られたり殴られたりしても防御できるように作られてるんですよ。
呪いをやるような所は 一度修行つけてあげませんといかんでしょうな」
なんて頼もしい言葉が聞かれた。
それからというもの、社長も合気道はやめて経営の勉強会にいそしんでいる。
会社は救われた。
そのあとX氏とは一度だけ会ったが、今回の件ではまだ不可解な点がいくつかあって、スッキリしていないようだ。
まずノテさんの死因自体に納得していなかったようだ。
検証しようにも狩り宿は焼け落ち、警察は非協力的だ。
それにノテさんが犬の頭部から作ったであろう呪いの札に関しても、作られた量と発見された量には大きな開きがある。
まだまだ大量のお札がどこかに隠されているはずだ。
また例の宗教団体に関しても現在行方不明で、どこか地方に潜伏しているのではないかという話だ。
もしかしたら、今も次の乗っ取りを企てて、どこかの企業に潜入しているのかもしれない。
いや、もしかしたらもうとっくに・・・。

あなたの会社に、神棚や気持ち悪い絵は飾られていませんか?・・・お気を付けください。

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