誰?

私は以前、私の母が体験した話を投稿しました。
今回もまた母の体験談について投稿させていただきます…

去年の初秋、私は母とその友人と埼玉県にある、とあるアウトレットに行きました。
そこでお昼を食べている際に、私はふとこんな事を二人に聞いたのです。
「ここって昔、確か火葬場かなんかだったんだよね??なんか出んのかな?」
すると母の友人が
「それは知らないけど、前来たときに変なことあったんだよ!!」と言ったのです。
どうやら以前にも母と2人でこのアウトレットに来たらしく、母と友人はその時のことについて話し始めました。

母とその友人はその時、歯医者の受付の仕事をしており、
たまたま休みの日が同じだったためアウトレットに買い物をしにいくことにしたらしいのです。
そのアウトレットはいくつかのエリアに分かれており各エリアの間には動く歩道があります。
母もショッピングを楽しみながら隣のエリアに移動するため動く歩道に乗りました。
すると前の友人が白いワンピースの女性と話しているのです。
母は「知り合いか、患者さんかなぁ…。話遮るのも悪いなぁ…」と思い、
2人を後ろからそっと見ていました。
動く歩道を乗り終え、友人に「今の人誰?知り合い?」と聞くと、
友人は「え?何のこと?」と驚いた表情でこたえました。
「いや、今ワンピースの女の人と話してたじゃんか〜」と母が言うと、
友人は「え!え!もしかして見える人なの?あたし今誰とも話してないよ!!」
とかなり動揺していたそうです…。

結局その女性の正体については謎のまま…。
私達は、何気なく利用する建物や土地が、以前はどのように利用されていたかはほとんど知りません。
しかし、火葬場など「死」との関わりが深い場所には、
「そういう者たち」が今でも静かに佇んでいるのかもしれません。

怪談というほど怖いものではなかったかもしれませんが、
最後まで読んでいただきありがとうございました。

朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-


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