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オンラインゲームで出会った病んだ人

昨年、私の身に起きた話です。

私はとあるソーシャルゲームに没頭していました。
仕事があるのに睡眠時間も削り、なるべく早く家事を終わらせ、夢中で遊びました。
それはそれは楽しくて仕方がありませんでした。
私は個人でコツコツやりたい派だったので、あまりフレンドを作らず本当に気があった人だけ時々遊び、
あとはマイペースに暇つぶし程度でゲームプレイしていました。

ある日、初対面にも関わらずかなり馴れ馴れしく話しかけてきたプレイヤー、(Hとします)がいました。
人懐っこい人だなあと思っていたのですが、
そのうち“あなたはそれじゃだめ”“あなたを支えたい”
“あなたを応援したい”“あなたを誰も認めてくれないのは可哀想だ”と思っていることを話してきました。
私はびっくりしてしまいました。
楽しくてゲームに夢中になっているのに、Hからすればどうやら可哀想な人に見えたようです。
オンラインゲームはいろんな人がいて、いろんな見方があるのは理解しているつもりでした。
しかし、初対面の人にズケズケと言われ、
おまけに周りの人間の不満や悪口をたくさん聞かされるのは流石に気分が悪くなりました。
あまり気が進まなかったのですが、Hに誘われるままHの言うとおり、理想通りに一緒に遊ぶようになりました。
悪口や不満も聞き流す程度に聞きました。
幸いギルドフレンドも大人だったので、Hとは適度に接しているようでした。
時々ギルドフレンドに困っていることを相談していました。

Hと遊ぶ気が進まなかった理由、それは実は私の過去にあります。
その昔、私がオンラインゲームをパソコンでプレイしていたときに
やはり境界性人格障害という精神的な病気を持っている人がギルドに加入し、フレンドになりました。
このフレンドをA子とします。
最初は仲良しだったのですが、段々とワガママが酷くなり突然怒ったり死にたいといったり、
まわりの別のフレンドもかなり迷惑していたのでそれとなく話や悩みを聞き、注意をしました。
その次の日からA子はゲームにログインしなくなりました。
あんなに毎日ログインしていたのに。
優しく注意したつもりだったけれど傷ついたのかなと私はとても反省していました。

すると、3日後にA子がログインしたのです。
そしてこういいました。
“自分はA子の兄貴です A子は自殺しました このゲームに理由があるかもしれないので教えてください”
私や他のフレンドは、この件をとても信じられませんでした。
お葬式のことなどよく知っていたフレンドが教えてくれたのですが人が亡くなれば、
葬式やお通夜の手配、打ち合わせ、
親族へ連絡、仏壇の準備など様々なことをやらなければならないのが普通なのだそうです。
それを自殺してたったの3日でパソコンにログイン?
しかも兄貴が?A子のログインパスワードはどうやって知ったのか?
兄貴は傷心していてゲームやる暇などないのでは?それが私やギルドフレンドの意見でした。大変困惑しました。
その後、自称自殺したA子の兄貴からは今後一切自分たちと関わらないように私やフレンドは約束させられました。
A子の兄貴がゲームをする訳ではないのにおかしいなと感じていました。
そして一週間後。
A子がログインしました。
あのときは自殺未遂しただけで、おまけにいろんなことがありすぎて何も覚えていない、
だからこれからも仲良くしてといいました。
こんなに命を大切にせず、嘘をつき、死を簡単に利用できるなんて…と私達はこのA子に不信感を抱きました。

そんな事件が過去にあったので、
私は精神的な病気を持っている人や直感で不信感を感じた人間とあまり関わりたくはなかったのです。
心を病んだ人を差別するつもりはないのですが、
また周りを巻き込んで不安にさせるのではないか、自分が巻き込まれたらどうしようと思っていました。
そういう人にどう対応したらいいかわからないので恐怖でしかなかったのです。

話は戻ります。
ハマりだしたソーシャルゲームで、案の定事件はおきました。
ソーシャルゲームの中で、集団チームと言えばいいでしょうか。
ギルドというものに所属していました。
突然私が所属しているギルドに新人が10人近く入ってきました。
夏休みだし、このゲームをやる人が増えたのかなと思っていました。
しかし、新人にあれこれ教えているのはHだけでしかもたった一人の新人しか教育しないのです。
他のメンバーはログイン表示になっているものの全く発言しないのです。
新人が増えたことはとても嬉しかったのですが、H丸が一人の新人だけ可愛がること、
他の新人には一切教育を施さないことを不審に思っていました。
もしかしてこの新人だけH丸とは関係なく、他の新人はサブかH丸の仲間?なんて疑惑を持ちました。
それでも私は大人として全員に普通の対応をしていました。
“こんにちはー!よろしくお願いします” “こんにちは”
“わからないこと何でも聞いてくださいね”
無視。皆無視。
教えてあげることができません。
挨拶の返事は帰ってきます。
だけどそれだけで話しかけても話が拡がらない。
チャットを見てないのか?それにしても無視の多いこと多いこと。
私は嫌われてるのかな?私の会話の仕方が悪いのかな?と悩んでいました。

新人が増えたところ、また一人新人がやってきました。この新人をCとします。
Cはかなり口が悪く、私は悪口を面と向かって言われました。
ここで気づきました。
この新人、H丸と話し方が似ているのです。句読点の使い方も。
Hもまわりのフレンドに悪態をついていたことがあったのです。
私は勇気を出して “もしかしてHさんとご友人ですか?” と聞きました。
まさか本人ですか?とは流石に聞けなかったです。
彼は “はい”と答えました。
同一人物かもしれない…なんとなくそう感じました。

その後もCの態度は変わらず、Hや他の新人メンバーはログインしているものの全く発言しません。
Hは相変わらず一人の新人のみ教育。
楽しくやっていたゲームなのに、Cの言葉遣いやHの身勝手な行動、悪態は変わらずそのことに苛立ち、
元々いたギルドメンバーが徐々に減っていきました。とても残念でした。

数日、私は仕事が忙しく週末久しぶりにソーシャルゲームにログインしました。
顔ぶれはHが連れてきた新人ばかりでした。
その日から楽しかったゲームが恐怖に代わりました。
なんとなくいつもA子さんを思い出すのです。
流石にゲーム中でA子さんを思い出すのはとても嫌なので、このギルドを抜ける決心をしました。
意を決し抜けたいと考えているとチャットしていると、個人チャットで Hが話しかけてきました。
“やっと抜けるんだね”
それなりにこのギルドに貢献してきたので、謝罪はしませんでした。
“抜ける意味がわからない、だってね、実はね、今ここにいるメンバー、全部俺だよ”
“え……?”
“今ログインしてるの、全部俺”
私は心臓がバクバクして、冷や汗が出ました。
ギルドメンバーのログイン状況をみると、8人ログインしていました。
“8人、これ、全部俺。8個端末使って、○○(私の名前)が何してるのか、いつログインしてるのか、
言う事聞いてるのかみてた ギルド抜けるなら、今度新しく作るからここにおいでよ”
“○日に○○にいってたよね?ランチ美味しかった?”
“目に映ってたけど、部屋のカーテン薄ピンクなんだね”

私は唖然としました。
多人数ログインしてるのに、話しかけても最低限の挨拶しかしないこと、
やたら馴れ馴れしくプライベートを聞いてくるH、
話し方が似ているCとH、
言うことを聞かなければ激怒するH、
小学生っぽい話し方でいろいろ聞いてくるD、
誰がやってるかわからないけど私の悪口をまわりのフレンドに流したり掲示板に書き込まれること、
急にインスタやツイッターのフォロワーが増えたこと…。
いろんなことに合点がいきました。

私はこのゲームをやめました。
DやHに話していたし、恐らく監視もされていたのでツイッターもインスタグラムあらゆるすべてのSNSを辞めました。
スマホも買い替えました。

幽霊は怖いです。
だけどそれ以上に人間が一番怖いです。
もうA子やH以上に怖い人間と関わりたくないです。
みなさんもどうかお気をつけて。

朗読: 繭狐の怖い話部屋

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