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これは私の中学生時代の話。

私は当時、私を含めた3人だけの少人数のバレーボール部に所属していました。
協調性が必要なスポーツということもあり、
私たち3人はよく部活以外でも行動を共にしたり、他の部活に比べて仲は良い方だったと思います。

その日も私たちは3人で下校していたのですが、
話しているうちにエースのMちゃんにお兄さんがいた事が分かりました。
私ともう1人の部員、TちゃんはそれまでMちゃんはひとりっ子だと思っていたのでとても驚き、
私達はMちゃんに対して色々お兄さんの事を聞きました。
そしてMちゃんのお兄さんは私の兄と同じ年齢ということが分かりました。
それから 「昨日お兄ちゃんとゲームしたんだよね」 とか
「卓球部なのに貧弱なの」 などその日を境に時々お兄さんの話を聞くようになりました。
話を聞く限りとても仲が良さそうで、いつも喧嘩してばっかりの私は正直羨ましかったです。

ある時、Mちゃんに貸していた漫画を返してもらうために、事前に連絡をしてMちゃん家に行きました。
インターホンを押すとMちゃんはすぐに返事をして玄関のドアを開けました。
ですが、次の瞬間Mちゃんは何かに反応して振り向き、家の中に向かって怒鳴りつけました。
「うるさい!友達だって言ってるでしょ!?」
私はこれまでMちゃんが声を荒らげた所を見たことがなかったので、私は身を固めましたが、
Mちゃんはこちらに顔を向けると申し訳なさそうな顔で私に漫画を返しました。
「ごめんね、お兄ちゃんうるさくて…」
Mちゃんは悲しそうな顔をしていたので、
「気にしないで」と一言だけいい、そっとしてあげました。
それから数日後、Mちゃんの事が気になったのであれからお兄さんとはどうかと聞くと、
笑って「仲直りしたよ!」と嬉しそうに私に言いました。

そんな出来事から1年後。
私たちにも後輩が出来て引退試合間近となった日、
私たちの親は今後の引き継ぎのため集まって話し合うことになりました。
その集まりには私の母、Mちゃんのお母さん、Tちゃんのお母さんの3人がいました。
引き継ぎの話も終わり、「少しお茶をしてから帰ろう」となったらしく、1時間近く他愛もない話をしたそうです。
私の母も、Tちゃんのお母さんもMちゃんの兄妹のことは私達子供から聞いていたので、
Mちゃんのお母さんに 「お兄さんいたんだね」 と何気なく言ったそうです。
するとMちゃんのお母さんは笑いながら
「うちはずっとMだけだよ、きっと叔父さんのことじゃないかな」 と言われたのです。

その後、この話を聞いた私とTちゃんはお互い首を傾げました。
最初はずっと嘘をつかれていたのかと思ったのですが、
Mちゃんがそういう嘘は性格上、絶対にしない事を分かっていたし、私の兄と同年齢ならまだ10代のはず。
Mちゃんのお母さんが言ったことが本当なら、年齢がだいぶ違うし余計訳が分かりませんでした。

けれど気づいたんです。
Mちゃん家に何度か遊びに行った時、明らかにコップなど日用品が3種類しかなかったし、
写真などもMちゃんだけのものや、3人だけでした。
それに田舎だったこともあり、殆どみんな同じ小中学校なのに私の兄は、
Mちゃんのお兄さんのことは知りませんでした。

家庭の事情だと言われれば、それまでなのですが、
もし存在してない兄を作り上げていたら、もし他には見えない”なにか”を兄として呼んでいたら、
そう思うと少し怖いです。

今でもMちゃんとTちゃんとは連絡を取り合っていますが、
未だにMちゃんからはお兄さんの話を聞きますし、その真相も分かっていません。

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