272 views

バイト先で

今となってはいいネタになるので話していきたいと思います。

僕が大学生の頃です。
その日の働いていたラストのシフトメンバーは全員同じ大学の男友達でした。
ここではTとSとします。
僕はSに誘われてバイトを始めました。
近くに人気のファミレスがあり平日は特にすることが無く
、休日は近くの人気店から溢れた客を捌くだけで、わりと楽な仕事でした。

その上社員さんが月に1,2回顔を出す程度で、ほとんどバイトのみで回していたため、
休みの融通も利き、楽して稼げるいい環境だったと思います。
そのあと、同じ大学に通うTが入ってきました。
Tはファミレスでのバイト経験があり、最初こそ色々覚える事が多いため忙しそうにしていましたが、
出勤3日目くらいには余裕で閉め作業もこなせるようになっていましたので、
わいわい騒いだり歌を歌ったりしながら閉め作業をしていました。

そして冒頭に繋がります。
いつものように歌いながら、 僕とTはキッチン、Sはフロアで閉め作業をしていると、
突然遠く離れたキッチンのシンクの台を、 「ダンッ!」 と、叩いたような大きな音が鳴りました。
僕とTは洗い場の方にいたので音のした方は誰もいない空間。
しかし、Tも僕も霊感なんて持ち合わせていないものでして、
「心霊現象じゃん心霊!」 と、一蹴してしまうような感じでまた皿洗いに戻りました。
Sに関してはフロアにいたので知らなかったみたいです。
僕はそれまで霊現象を信じていなかったので、先程の音なんて気にも留めていず、
洗い場のTと合唱しながら 洗った鉄板を焼き場の方へ持っていき、また洗い物に戻ろうとしました。

その時です。
「うるさい」 と、小さな声でしかし、ハッキリとした女性の声が僕の右後ろから聞こえたのです。
確かに聞こえた右後ろを振り返っても、当然の様に業務用冷蔵庫が冷ややかに立っているだけで。

今思えば、すぐ理解できたでしょう。
男しかいないのです。ここには。
当時の僕は一応TとSに確認したんです。
今、「うるさい」と言ったかどうか。
どちらも口を揃えて言います。
「言ってない」と。 やっと理解が追いついてジワジワとした怖さが押し寄せてきました。
どうしたのかとTとSが寄ってきました。
まぁ、言わずもがな信じてはくれませんでした。
あまりの怯えようにTが
「そんなに言うなら、写真撮ってみよーぜ。もしかしたら、心霊写真取れるかもな。」
と面白半分で言い出して、自分の携帯のカメラでキッチンをグルーっと数枚撮ったんです。

1枚、2枚…と確認していき、最後に撮られた1枚を見て、 絶句しました。
その写真にはガラスに反射してSとTが映っています。
しかし不可思議な点が数点。
Sの膝から下が途切れて見えなくなっていたり、 Tは眼鏡をかけて撮影したはずなのですが、
顔が歪み、眼鏡をかけているのか、はたまた、別人なのかって言うくらい顔が変わっていたり、
そして何よりTの肩には男の人らしき顔がくっきりと映っていました。
僕が聴いた声は間違えなく女性だったのに。
さすがにSはびびっていましたが、Tはいいモノが撮れたと喜んでいましたね。
僕にとっては恐怖の追い討ちにしかならなかったのですが。

しかしながら、本当に霊の仕業なのか真実が知りたくなった僕は、
後日、僕の彼女の知人に除霊出来る方がいるのを知っていたので、
「聞いてみて」 と、写真を送ってもらいました。
返信はその日のうちに返してもらえたらしく、内容を見てせてもらうと、
そこで僕はまた少し、背筋が凍りました。

その時の返信をそのまま書きます。
「そこそこのが居ますね。 実害が出るようでしたらすぐに見せに来て下さい。」
それから数ヶ月は働き続けたのですが、 急に激務になり、
忙しさのあまり体調を崩して鬱病のようになったり、 3ヶ月で2回事故をしたり、
足の靭帯を切る大きな怪我をしたりと、 いろいろあってそこのバイトを辞めました。

体調は本当に激務のせいなのか、 事故は自分の不注意なのか、
元々よく怪我をする体質だったためなのか、 思うところも多々あるのですが、 今は元気にやっております。

僕は今でも、返信を見た彼女の言葉を思い出します。
「そこそこヤバいのがいるのか、そこそこの数がいるのか、どっちなんだろうね。」 って。

朗読: 繭狐の怖い話部屋

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

郵便配達の家

OD

武装心霊探訪その4

お風呂

兄の夢のツヨシくん

ハワイの思い出