柊木ダム

これは、30年以上前に私と友人が体験した、お話です。

当時小学生だった私は、夏休みと言う事で、友人4人と、賀茂川(鴨川)の上流にある、柊木と言う場所にある砂防ダムへと泳ぎに行きました。
今は確か遊泳禁止になっていると思います。
友人とダムに着いた私は、準備運動もそこそこに川へと入りました。
川には私達の他にも水遊びを楽しんでおられる方が何人もおられました。
砂防ダムから飛び込む人もいました。

私達も飛び込んでみようと言う事になり、順番に飛び込んでいました。
私の番が終わり、四人目の友人が、飛び込んだのですが、直ぐには浮き上がって来ませんでした。
私達は、あいつ溺れてるんちゃう?と話していると、真っ青な顔して、友人が上がって来ました。
私達は、お前また笑い取ろうと思って、白々しいねん等と話していました。
しかし、その友人が言うには、ちゃうねん俺足引っ張られたと言うのです。
もちろん当時は、霊と言う存在の事は、半信半疑でしたから、作り話だと思っておりました。
別の友人が上がって来なかった友人に、お前足手形みたいなん付いてるやんと言うのです。
そこへ、私達を心配してか二人の大人の人がやって来ました。
一人は日本人、一人は外国の方でした。
私達は、友人に起こった事を話しました。
日本人の方が外国の方に説明すると、外国の方が、川底に潜って行かれました。
暫くすると何かを抱えて川底から水面に上がって来られました。
そしてデッド、デッドと叫び始めました。
当時は、英語などわからなかったので、デッドって何?って感じだったのですが 紛れもない川で溺れた水死体でした。
友人は、川底に引きずられかけたのかもしれません。
夏休みが終わり、その出来事を語ると引きずられかけた友人は、
あれから別の日に、近くを通ったんやけどなんか知らんけど、涙が止まらへんかったと話していました。
次の年の夏休み、母親が、あんた何処へ泳ぎに行くんや?と聞いて来たので、
柊木ダムやけどって言うと、アホかあんたはと言われ、
何で?と聞くと、あそこはな、ちょくちょく水死体が上がるねん、行かんときと怒られました。

それからは、もうそこへは、泳ぎに行くのを止めたのは言うまでもありません。

朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-

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