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カナシバリ

 「金縛り」の体験談はよく耳にするのですが、金縛りを経験しているのか

自分に起きたことなのに 実はよく判っていません。

眠っていてふと目が覚めて、身の回りの様子がなんとなく把握できるのに

体は動かないなと、思うことがあっても またすぐに眠ってしまうので、翌朝起きた時には

「金縛りを経験した」のか「金縛りっぽい夢を見た」のか 判らなくなってしまうのです。

コレは!?と、思うような金縛りらしい経験は、がんばって数えても ウン十年生きてきて

5回あるかないかの曖昧さです。

そんな自分の記憶に残る「金縛りなのか?」と、今でも疑問に思う体験をここに書き込んで

良ければ意見を聞かせていただこうと投稿しました。

●26歳ごろ ある冬の夜の経験

 それは平日の夜だったと記憶しています。

自分の部屋に布団を敷いて、床に入ったのは夜中の0時を過ぎていましたから、

ふいに目が覚めたのが何時であるか判りませんが、真夜中過ぎには違いが

ありませんでした。

今でも一度眠ると、ほとんどの場合目覚まし時計のアラームが鳴るころまで

目が覚めないタチで、人に起こされない限り、例外はトイレで目覚めることぐらいです。

ですから、その時も「あ、トイレ?」と、ぼんやり思いましたが どうも違う様でした。

「何で目がさめたのかな?」 回らない頭で目をショボショボさせながら

見慣れた暗い天井と、そこから下がるペンダントライトの白っぽく見える笠、

その内側に見える蛍光灯の輪を眺めながら 身動きがうまくとれないのは、

冬布団に替えたせいかな?と、考えていました。

仰向けに寝ている状態から、ちょっと寝返りがうちたいのに たいして重くもない

掛布団が邪魔でうまく動けない‥。

そんな感覚だったと思います。

 アゴの下にかかっている掛け布団が 少し動いているような気がしました。

掛布団がベッドからだんだんずり落ちていくような動きでした。

「畳に布団を敷いて寝ているはずなのに おかしいなぁ?」

そう思った時、誰かの指が自分の口元に触りました。

 目に映るのは、薄暗い天井と闇にぼんやり見えるペンダントライトなのに

確かに誰かがいて、その指が自分の口元を触っています。

それも、頬の下あたりから口元まで 探り当てたという感じのおぼつかない、

そっとした指の動きでした。

 口を探り当てると、その手はいきなり 閉じた口の中の歯の上下の隙間に

両手の爪を無理やり引っかけて口をこじ開けにかかるのです。

さっきまでの弱々しい指の動きが ウソのような力だと感じました。

ゴリゴリと動かす爪の感触と、歯と唇にあたる3対6本の指先の丸みが生々し過ぎて

怖いと感じるより 気味が悪くて逆らう気持ちが先に立ちました。

「何のつもりかしらないが、こじ開けられてたまるもんか!」

体が動かないので、しかたなくアゴに力をこめて 歯を食いしばっていました。

もしもこじ開けられたら 思いっきり噛みついてやろう‥!

でも、そのうちに眠ってしまったようでした。

と、言うのも またぼんやり 何かで目が覚めたからです。

どれくらい眠ったのかはわかりませんが、目に映るのはさっきとあまり変化のない

薄暗い天井と白っぽく見えるペンダントライトと蛍光灯の灰色の輪でした。

相変わらず体はうまく動きません。

それと同時に、自分の口が少し開いていて、前歯が何かを噛んでいるのに気付きました。

舌をそっと動かして触ると、よくあるガラスのビー玉のような丸い物でした。

大きさも 普通のビー玉ぐらいだったと思います。

上を向いて寝ているのに 何でそのビー玉は口の中に落ちてこないんだろう?

舌で押しても びくとも動かないぞ?

眠気を振り払うように 一度ぎゅっと目をつぶってそっと開けても、見えるものは

変わりませんでしたが、頭のてっぺんとアゴの下に掌と掴むような指の感触があり、

グイグイと力いっぱい上下から押してくるのに気が付きました。

まるで、口にくわえさせた玉を割ろうとでもしているようでした。

「人の口を何に使おうって言うんだ? くるみ割り人形じゃないんだぞ!

 堅いものを割りたいなら 使うのはフツー奥歯だろうが!」

 そう思うとやっぱり腹が立って、今度は意地でも大きく口を開けてやろうと

精一杯の抵抗を試みましたが、ここでも睡魔には勝てなかったのか

いつの間にか眠ってしまったようでした。

 次に目が覚めたときには朝で、セットしたアラームが鳴る5~6分前だったと思います。

半分寝ぼけていましたが 自動設定のようにカーテンを開け、布団を片付け、服を着替え、

さて顔を洗おうと洗面所に行ったとき、そろそろはっきりしてきた体の感覚に

違和感があったのです。

上下の前歯とアゴの付け根に、今まで経験したことがないような 鈍い痛みを覚えました。

歯茎もなんだかジンジンしました。

そのときやっと、真夜中の出来事を思い出しました。

家族や友人の話では、自分には歯ぎしりの癖はないそうで、前歯やアゴが痛いのは、

あれが夢ではなかったということなのか‥。

「もしかすると虫歯かな? それで変な夢を見たのかな?」

そう思って、その日の仕事帰りに歯医者で診てもらいましたが、虫歯はなく、

前歯にも歯茎にも異常はありませんでした。

その時間にはアゴの付け根の痛みもまったく無くなっていました。

今でも あの見えない手の感触を忘れてはいませんが、

あれが金縛りというもので その最中に怪異を経験したのか、単なる怖い夢だったのか

判断ができないままでいます。

これも「金縛り」のひとつなのでしょうかね?

皆さんは どう思われますか?

朗読: 繭狐の怖い話部屋

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