呪いのDVD

おれは児童相談所で、他の子と共同生活をしていた。

ある日、4人部屋で寝ていた。
同級生と、6学年下の子と、7学年下の子と寝ていた。
寝てはいたが、眠ってはいなかった。お互いに怪談を話していたのだ。
同級生がおれたちにある話をした。
それは、その同級生の知り合い、おれにとっては知り合いの知り合いが体験した話だ。

3年前、そいつは中学2年生だったらしい。サッカー部に入っていたらしい。
ある時、そのサッカー部の先輩が行方不明になったと聞いたそうな。
そいつとその友達は、まさかあのDVDのせいで先輩は行方不明になったのか?と思ったらしい。
実はそいつらが先輩が行方不明になったのを知る少し前に、
先輩は怖いDVDを借りたと聞いた、と聞いたらしい。
その先輩は家でひとりでそのDVDを見ることにしたそうだ。

おれの知り合いの知り合いは、先輩のことが心配になり、友達と一緒にその先輩の家を訪ねた。
なぜか家の入り口のドアは開いている。家に入っても誰もいない。
少し中を探すとテレビがあった。
点滅して、消えて、また点滅し始めた。
『呪いのDVD』と表示してあったと。
『メインメニュー』とかもあったらしい。
怖くなったおれの知り合いの知り合いたちは、その家から逃げ出した。

警察がいくら捜索しても先輩は出て来ず、そのDVDは貸し出し禁止となった。
この話を聞いて、おれの7こ下の子はものすごく怖がっている様子で、
おれの同級生は、おれに向かって、『やべえめっちゃビビらしちゃった』と、反省しているようだった。
確かにおれの7こ下の子にはまだ早すぎるかもなあとも思った。
まだ小4なわけだし。

朗読: 【怪談朗読】みちくさ-michikusa-
朗読: ゲーデルの不完全ラジオ

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