タンスの上

私の姪っ子、あーちゃんが2~3歳のときの出来事。

あーちゃんがお菓子を食べながら遊んでいると、離れて見ている私に「どーじょ!」と、お菓子を差し出してくれるときがありました。

自分ひとりが何かを食べていることが、悪いと思っているようでした。

それに「どうぞ、召し上がれ」と言いたいのでしょうが、上手く発音できずに「どーじょ!」となってしまいます。(笑)

私は「ありがとう!」とお礼を言って『そんなこと思わなくていいのにな』と思いながら、量が少ないときは食べるふりをして、そっともとに戻していました。

そんな優しいあーちゃんですが、そこは子供。

自身がとても好きな味のお気に入りお菓子のときはくれません。(笑)

遊んでいる部屋は、壁に沿って洋服ダンスが一つ置いてあるだけの六畳の部屋。

あーちゃんはタンスから少し離れた位置に、タンスに向かい合うように床に座って、お気に入りのお菓子を食べながら、目の前でおもちゃで遊んでいました。

私が壁にもたれて本を読んでいたとき、あーちゃんの「どーじょ!」と言う声が聞こえ、 『珍しく、お気に入りのお菓子をくれようとしてるのかな?』と思い顔を向けると、 あーちゃんは、床に座ったまま、お菓子を持った手をタンスの上の方に伸ばしていました。

タンスの上には、ぬいぐるみも、何も置いてありません。

『あーちゃん、お気に入りのお菓子を誰に「どうぞ」してるの?!』と驚きました。

その様子を黙って見ていたら、お菓子を持って伸ばしていた手を下ろし、持っていたお菓子をお皿に置き、何事もなかったようにおもちゃで遊びはじめました。

そっとその場を離れ、別の部屋に居る姉に、見た出来事を伝えると 「ときどきあるのよね~ 男の子らしいよ。」と教えてくれました。

『あーちゃんがお気に入りをあげるくらいだし、泣かないし、ケガをさせたり、悪さをするモノじゃなさそうだから、まぁいっか。』と放置。(笑)

『となりのトトロみたく、大人には見えなく、小さい子供だに見えるモノが居るんだな~』と思いました。

ただし、その子が大きくなると忘れてしまう…そんな存在なのでしょうけれど。

『私も小さい頃には見えていたのかな…』と思うと、忘れてしまったことが、少し悲しいです。

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