悲鳴

『!きゃー、助けて誰か助けて〜!』

夜道を歩いていると、向こうから女性が走って近づいてくる女性は、手首の当たりから出血している!女性は、後ろを気にしながら、僕のもとへ、片足を引きずりながら駆け寄り、『助けて!来る!来るの!あ、あアイツが!』女性の話を聞く間も無く、女性が走って来た方向から、遠くからでもわかる熊の様な大きな男が、しゃがれた声で何かをわめき散らし走ってきた。女性は、足をくじいているらしく、うつむいたまま震えている、迫る男、うつむいて震える女性、多少腕に覚えのある、僕は、覚悟を決め、僕の後ろに隠れる女性に言った!『僕が闘っているスキを見て逃げろ!』と男が走って来る方を向いて、身構えた、その瞬間、生来感じた事も無い激痛が、背中から身を貫いた『ウグゥゥゥ』と僕は悲鳴を上げ、ゆっくりと、後ろを振り向くと、身体を震わせ、ながら、女性は狂気に満ちた笑顔でわたしを見つめた。

女の手には、柳刃包丁がにぎられており、その刃は僕の背中に深くめり込み、刃先は、ミゾオチ当たりから飛び出していた。痛みと失血で、失いかけた意識の中で最後にきいたのは、『離れろ〜そいつは、通り魔だぁぁぁ』と言うしゃがれた男の声だった…

朗読: 繭狐の怖い話部屋
朗読: 怪談朗読と午前二時

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