私は今でも実家の離れにある自分の部屋が怖いです。
私(以下、A)が高校生の頃、姉と2人で実家の横にある 離れに住んでいました。
離れといっても実家と外廊下を挟んで 真隣にある、1階は車庫と納屋。
二階にある二部屋を私と姉で利用し、ご飯やトイレ、お風呂などは実家で 部屋にいるのは自分のプライベートな時間のみでした。
そんな私の部屋ですが、とにかく怖い。
私は元々霊感がある方ではありませんが、 あ、今いる感じがする。や、ぁあ、ここダメだ。など感じる程度にはありました。 姉も同じです。
そして私の部屋がなぜ怖いか。
とにかくポルターガイストがすごく、ある日は深夜寝ていると 突然、バン!!!!と物凄い音で目が覚め壁を見ると私の部屋のものが壁に投げつけられて落ちています。
そんな時は隣の部屋から姉が「A、おきてる?」「今の気付いた?」と声をかけてきます。
その言葉を合図に、恐怖が押し寄せダッシュで姉の部屋に逃げ込み2人でベットで震える。
こんな事が何度も起こりました。
ある日は、深夜ウトウトしていると、バリ!!!っと何かが 鈍く割れる音がして電気をつけると、なぜか机に手鏡が置いてあり 落下した訳でもないのに粉々に割れていました。
そんなある日の事です。
私の離の家は木造で古い家なので立て付けが悪く、 押し入れのドアも木が傷んでスライドがとても硬くなっていたのに、 全て閉まっているはずの押し入れが朝起きると半分ほど開くようになっていました。
感覚で、「そこにいる」というのがすごく伝わってきました。
そしてそれが良くないものである事も同時に分かりました。
そこからは本当によく金縛りにあうようになりました。
ある日姉と寝ていると真横に姉がいる状態で金縛りにあいました。
その時、目はつむっているのにハッキリと視界が見えていたのを覚えています。
私の部屋に置いてある、当時とても大切にしていたぬいぐるみがのしかかってきて、私の首に噛み付いてきました。
私は必死に動こうとしましたが抵抗できずどんどん呼吸が苦しくなりました。
姉に助けを求めようと目を開けてそちらを見ると、姉が苦しんだ表情を浮かべ、うー、うー、と 唸り声を上げていました。
しばらくすると金縛りが解け、姉に声をかけると、姉が私に「今、私部屋に置いてる人形が私の首を絞めてきた」と 言ってきました。
その人形は姉が小さい頃から大切にしている人形でした。 この時に、もうダメだ。と思いました。
この頃、夢でよく黒い服を着た女性が私の部屋の押し入れから出てきて、 私が学校から帰ってきて階段をあがると押し入れに戻る。という夢をよく見ました。
両親はそういう類をあまり信じる方では無いのでずっと、姉と悩んでいましたが、姉と2人で必死に説得し、あまりの必死さが伝わったのか一度、 父が私と姉と3人で私の部屋で眠ることになりました。
寝る前に部屋全体を動画で撮影し証拠を残しました。
朝方。姉の悲鳴で私と父は目覚めました。 押し入れが全開になっていました。
押し入れの上の 手を伸ばしても届かない小さな押し入れも全開でした。 もう、ここでは眠れないと思いました。
そんな時です。
夜ご飯を食べていると、母から 「この前、テレビで陰陽師の特集が面白いからみてたんだけど 汚い部屋には悪い気や悪い物がこもるらしいよ。A、あんた 換気もしないしカーテン締め切ってるし部屋汚いし、それでじゃない?」 と、突然言われました。
その頃の私は、荒れた生活をしており、ベットも大きい頂き物のベットがあったので、 部屋ではベット生活で服もちらかっており、窓の外に蜂の巣があったので全く換気もせずカーテンもしめきっていました。
どこか陰鬱としていてジメジメした空気が漂った、 今考えると、それはそうだな。と言えるような部屋でした。
今考えるとですが、あの現実主義の母が 私にそういう話をしてくるなんて、相当だったのだと思います。
その後、部屋を掃除し換気をしてからは、嘘みたいにピタッと 金縛りやポルターガイストはおさまりました。 やはり悪い気が溜まっていたのだなと思いました。 両親や姉もほっとしていました。
私は誰にも言えない事があります。
あの部屋には、まだいます。押し入れの中にいます。 感じるのです。
あれから普通に1人で寝る事も平気になり 夜もゆっくり寝るし1人で過ごせます。 が、なぜかたまに物凄く悪寒がし、視線を感じ 無理に寝ようと目を瞑ると、足元のほうで なにか黒いおぞまそい気配を感じるのです。
原因はわかりません。
離は亡き祖父の実家なので 私の部屋の押し入れは祖父と祖母の物をしまっていて、 そのまま私が部屋として使っていたのでそれが関係しているのか。
もしくは、祖母の知り合いから頂いたというこの大きな中古ベッドがいけないのか。
はたまた、部屋そもそもが良くないのか。今となっては知るよしがないです。
今はもう、実家に帰っても離れに行くことがないです。
たまに自分の部屋に置き忘れた漫画などを取りに行きたくなりますが、 もう、年々、なぜか実家を出てからの方がむしろ、あの部屋が怖くて怖くてたまりません。
きっと今も、あそこにいるはずだから。