くさい

 皆様お疲れ様です。 この体験は、冒頭の体験した日と後日談に別れています。
 後日談の方は人に伝染し同じ体験をする可能性があるので、個人の責任で閲覧して下さい。
 5年ほど前に私が体験した心霊体験のお話を聞いて頂きたく、投稿させて頂きます。
 

 F県M市のとあるダムについてのお話なんですが、まだやんちゃだった高校生の私と当時良くつるんで遊んでいた不良グループ7人で、流行っていた肝試しをすることになりました。
 夜中に良く遊んでいた友人Aの家に集まり、場所を決める際ケータイで調べていたのですが、隣町のダムの向かいの家で、昔に焼死した人がいるらしいと言う話が出て来ました。
 そのダム自体も心霊スポットとしてある程度有名だったので、一石二鳥だなと、色々な案はあったのですが、結果そのダムに車二台で行くことになりました。
 隣町なのでさほど時間は掛かりませんでしたし、道中はグループみんなで「今度は当たりだといいな!」などとふざけ合う余裕もありました。
 ダムの近くのコンビニを曲がり山に進んで行き、小さめの橋を渡り、また坂道を行った先にダムがある訳なんですが、橋を渡り切った時私とその他友人2名がゾクッと何かを感じたんです。
「うわっ! ゾクッとした! これマジもんの心霊スポットだそ!」とふざけていたのもつかの間、ダムの駐車場に到着。
 少々の霧が掛かり寒い、暗い雰囲気も相まってみんなの期待値は最高潮でした。

 車を降り、最初にその焼死した家と思われる前まで行きました。
「ここなんじゃね? 特徴あってるし」 と友人Aが言いました。
 それから10分程待っていたのですが何も無く、道路を挟んで向かい側のダムにも行きましたが何も無く。
「結局何もねーのな。どーする?」と私が言うと、とりあえず道が続いているので先に進むと意見が出たので、行く事になりました。
 奥に民家らしき家があり、そこまで向かいました。
 民家まで着くとちゃんと人が住んでる雰囲気があるので「ここ心霊スポットじゃなくね?」と友人Aが、みんな落胆しながらも来た道を戻り、焼死した人の家まで戻って座り込み、円になって各々タバコを吸って休憩してました。

 かれこれ着いてから30分程心霊スポットにいたのですが何も無く、私達はこの後の予定を考えていた時、円中央でちいさい声が聞こえました。
 俺と友人Aは顔を見合わせ「ん?」となんだ今のって話していたんですが、気のせいに思い、 またしばらくしてドライブしながら帰るか、と立ち上がろうとした時「ははっ!」と私達では無い老婆の声が聞こえました。
 みんなが聞こえていて「うわっ! やべぇぞ! 逃げるぞ!」と一目散に車に飛び乗りました。
 道中の記憶も無いほど焦って逃げて来た私達は先程のコンビニまで戻りました。
 友人Aの車には乗らなかったので詳細はよく分かりませんでしたが、ブレーキが効かなかったり、車の中からの手形があったらしいです。
 焦ってアクセルとブレーキを踏み間違えたり、そのせいで車の中でごちゃごちゃになり友人の誰かの手形が窓に着いたのだと考えていたんですが、外からの手形もあり普段使う時に触れない部分までついていました。
 あの時は言葉を失いました。
 予定通りドライブしてその後は解散しました。
 その日はここで終了です。

 ここからが後日談になります。
 再度申し上げますがこの先は閲覧注意、個人の責任でお願いします。
 その出来事から1年後の同じ時期に、友人Aと夜飯を食べに出かけ、帰ってゲームなどをして時間を潰すなどいつも通りの生活を送っていました。
 眠くなり、ベットに横になった時、何かが焼けたような焦げ臭い匂いがしましたが、匂いを感じ初めてから意識を失うように寝てしまいました。

 夢を見ました。夢の内容は1年前のちょっどそのダムに向かった橋の所からの夢です。
 夢の中では自分がみんなを外野で見ている感じで、要所要所で画面が切り替わって監視カメラを見ているみたいな、説明がわかりやすいか分かりませんが。
「あれ? なんだこれ」と思っていたら私達があの時と同じ行動をとり、民家まで1往復する訳ですが、一つだけ違う点があるんです。
 1人見慣れない老婆が一緒に歩いてるんです。
 夢の中では自分達は気づいていなく、淡々と進んで行くんですが、 夢を見ている自分には老婆の声も聞こえるんです。
 ずっと小さい声で何かを伝えてるといいますか、私達に語りかけていたんですが、よく聞くと「くさいくさいくさいくさいくさいくさいくさいくさい」って低い声で言いながら着いてくるんです。
 円になってタバコに火を付け雑談している時に私の夢の視点が円の中央に切り替わっていたんですが、 円になった一人一人に「くさいくさいくさい」と喋りながら1周、2週とぐるぐる回っているんです。

 そのうち老婆と夢の中で目があったんです。
 中央の視点に老婆が向かって来て、「怖すぎ! 来んな!」と思っていました。
 完全に視点に顔が入りきったときに、 画面をじっと見つめ「くさいくさいくさいくさいくさい」と言っていました。
 その時点で自分は死ぬほど怖かったのですが、私達が帰ろうと立ち上がった瞬間「くさいくさいくさい……ははははははははははははは!」と発狂し、画面越しに睨み発狂している老婆、逃げ帰る私達、阿鼻叫喚の中そこで意識がふっと切れて目が覚めました。

 脂汗をかきながら息が上がり、涙目の私は起き上がりました。
「怖かったぁ……死ぬかと思った……」と安心していました。
 そのすぐ後で母が起こしに来たのですが、「お前部屋で何燃やした?」と言われました。
 タバコかとも思ったらしいんですが、肉を焦がしたような、そんな匂いだったそうです。

 その後心霊スポットにいた友人に連絡を取り聞いたところ私と友人Aを含む計4人が同じ日に同じ夢を見ていました。
 やはり同じ内容の夢だったそうで、みんな部屋が何かを燃やした匂いがしたそうです。
 この話を身内や他の友人にしたところ、同じ夢をみた、部屋で燃えた匂いがするなどと言う話を聞きます。
 ここまで読んで頂きありがとうございます。 くれぐれもご注意を。

朗読: ゲーデルの不完全ラジオ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

閉じる